焚き付け

主に日記を書く

ナスカの地上絵

 3月。どんどん書いて追いついていきたい。一応簡単に前置き的に労働のことを書いておくと、やはり年度末ということで他と比べるとかなり忙しい。とは言っても終電、泊まりはどちらもなかったが(2月はあった)。労働はしたくないが、睡眠より価値はあるため何とも言えないところである。不本意ながら、労働を通してしか得られない(自主的には絶対にやらないので)知も多いわけで。睡眠で時間を無駄にすることは全然厭わないが、知を得ようとする営為をやめてしまうことへは強い恐怖がある。

 とにかく、さっさと内容に入ろう。 

 

○群馬

  Nに誘われて余った18きっぷで群馬に行ってきた。誘われたと言っても、行先はかなり成り行きだけで適当に決まったが…。

 高崎に集合して、上信電鉄のフリーパスを買った。路線が1本しかないのでやや割高に感じるが、一応端から端まで往復すると元を取れる。硬券だったので、なんとなく家に持って帰って保管した。

  まずは富岡で降りて、製糸場に行った。世界遺産効果なのか、駅がやたらきれいで駅前は再開発中のような雰囲気があった。が、町の方に出てみると雰囲気は一転して古くなる。思っていたよりかなりしっかりした町だ。生糸産業のかつての大きさと現在の斜陽を感じる。路地が細くて歩いていて楽しい。

 富岡製糸場はかなり立派だった。立派というか、でかい。想像していたような工房の大きい版とかいうレベルではなく、正しく工場である。現代なら機械化されている工程のある程度を人間がやっているというだけで、形態として工場制機械工業だ。(ただし、現存の工場は戦後も利用されていたためかなりの更新が入っており、どこまでが当初とかいうのはいまいちわかりにくくなっている点もある)。我々が文明開化最初期の工場を見ようと思って早々見られるものでないという点では、やはり貴重だ。がっかり世界遺産だのなんだの言われる(言っている)が、背景など考量すればやはりそれなりのものはあるということか。工事中でやや雰囲気が物足りない部分もあったが、500円で入る価値はある。

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(やたら低画質だな。)

 メインで行く場所はここしか考えていなかったので、あとは適当に訪問。駅前の古そうな食堂でオムライスを食い(古い食堂ってやたらオムライス頼みたくなりませんか)、終点の下仁田に行った。思った以上に何もない場所であった。何もないと言ってもネギの1本も生えていない程度には町であり、それゆえ何も言えないというところはある。駅舎はなかなかいい雰囲気だったが。あと下仁田の手前がやたら急峻な地形になっていたのが印象に残る。

 続いて、上州一ノ宮という駅名を頼りに貫前神社へ。ここは階段を下ったところに拝殿があるという珍しい神社だった。あまりそういうものは見たことが無いが、あえて言うなら羽黒山神社の五重塔とかがあるところが最初下りというくらいだろうか。あれはもともと谷筋に道があったんじゃないかと思うが…。後はもともと神社として作られた場所でも何でもないが、小諸城とか。たしか水が湧いたとかそういう由緒が書いてあった記憶があるが、それで窪地ということか。山を切り開いたでかい神社と比べると自然な印象があり、雰囲気は好みである。あと横に謎の宗教施設みたいな建物があり、開いていたので入ってみたら、少年自然の家的な場所だった。戦時中に天皇行幸に際して作られた建物らしい。見学させてもらったが、特にコメントするようなものはなかった。

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 その後川越で秀山荘(後述)に寄って、晩飯(ラーメン屋に入ったら二郎系だった)を食って帰宅した。

 

○銚子

 群馬の翌週、まだ18きっぷが余っていたので再びNと銚子に行った。今回は自分でチョイスした。というのも、久々に行きたくなったため。

 千葉県のくせして銚子はやたら遠い。むしろ銚子が近い町なんてない気もするが…。合流したら昼前だった。

  まずは今回最大の目的である駅前のモンテヤマザキに行こうとしたのだが、シャッターが閉まっていた。無念。閉店なのか休日なのかはわからない。コンビニ界隈で言ったら閉店はよくあることなので慣れてはいるのだが、非常にむなしい。

 そのまま港の方を散歩する。道路が広いあたり、沿岸漁業が盛んな頃はもっと交通量が多かったのだろうか。と思ったが、漁獲量は横ばいらしい。となると、衰退してというよりは、地方の独立都市特有のまちなかにやたら広い道路があるやつか。徳島とか宇和島とか。港はさすがの大きさだった。河口内の方しか見ていないが、外向きの方にもさらに港がある。

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 適当なところで町の方に戻り、適当な飯屋に入った。主に海鮮丼の店で、一番安かったアカマンボウを食った。本当はサバ丼が食いたかったのだが、値段的に食指がどうしても伸びず。地味にアカマンボウを食うのは初めてだったが、確かにマグロに似た味だった。そしてマグロはあまり好きではない。マグロの代替魚だのなんだの聞いたことがあるが、この色では厳しいだろう(そもそも漁獲量とかの観点から否定されているが)。

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 店の前に謎の五重塔が見えたので、寄ってみる。なんでこんなところにあるのかよく分からんが、なんとなく商業主義的な雰囲気のある寺だった。写真も撮っておらず、あまり記憶にない。

 ここから犬吠埼まで歩く。前行ったときがいつだったか忘れたが、このブログに書いたような記憶もある。見直さないから結局分からないのだが…。岬までの道中は、国道を外せば畑の広がるのどかな場所で、三戸浜の上と同じ雰囲気がある。

 最初に向かったのは屛風ヶ浦で、ここは前回時間の都合で来れなかった場所だ。こちらもやはり今回の目的の一つである。道中に謎の大学(千葉科学大学)があり、かなり不便そうだ。なんか雰囲気にやたらいちゃもんをつけた記憶があるが、写真が残っていないので思い出せない。屛風ヶ浦は期待通りの場所だった。日本のドーバー海岸などと言われているらしいが、個人的には記憶の中にある写真との整合性からノルマンディーという印象を受けた。違うと言っても隣だし、地質学的な差異は特にない気がするが。写真で見るとインパクトが薄い。

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海岸沿いに歩いて犬吠埼を目指す。道中長崎鼻の方の灯台にも寄るが、やはりこちらの方が最果て感があって好みだ。犬吠埼だけ訪問して満足するのはあまりお勧めしない。個人的な主張だが、灯台はやはり岬にあるべきで、岬たるもの最果てであって人でごった返すような場所であってほしくはないのだ。果てであれば果てであるほど良い。また、人は少なければ少ないほど良い。そのような場所のほうが灯台が存在する意義も大きいだろう。もちろん犬吠埼灯台も非常に優美でいい灯台なのは間違いないが、実用的で武骨な灯台が好きだ。

 と、こんなことを書いた原因も、犬吠埼の人の多さにある。嫌になってもはや灯台の写真も撮らなかった。いきなり人が多いところに出ると、どうしても気持ちが滅入ってしまう。

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 疲れたので帰りは銚子電鉄で帰ろうと、犬吠の駅へ歩く。が、ここはもっと人が多かった。なんでこんなに人気があるんだろう。前回は時間の問題こそあれ、乗客は自分だけだったのだが。もちろん、人気があるのは悪いことではないが…。こんなところまで来て混んでる電車に乗るのも、なんだかなあ。


 本当はここから香取神宮、佐原と行く予定だったのだが、時間が無くなってしまった。そんなわけで香取神宮だけ行くことにした。が、なぜか写真が残っておらず、駅からやたら遠かった記憶しかない。なぜ写真が残っていないのかは不明。佐原は小6の時から行きたいと思っている場所なのだが、まだ積み残しになっている。秋か冬だろうか。

 この後、成田で晩飯を食って帰った。碌な店がなかった記憶がある。

 

○秀山荘

 川越の登山用品店である秀山荘が3月中に閉店した。前に一度買い物に行ったので会員になっており、閉店はDMで知ったがかなり驚いた記憶がある。秀山荘と言えば沢靴(忍者)を作っているメーカーという印象が引っ越す前からあった。沢用品が充実している登山用品店はかなり少ないので非常に貴重だったのだが、大手に押されたのだろうか。

 閉店前に在庫一掃のセールをやるということで、2回に分けて行ってきた。最終的に7.2mm×50mザイル、シュラカバ、エアーマット、クライミングシューズとチョークバッグをすべて半額以下で購入した。ちなみに7月現在まだザイル、シュラカバ、エアーマットはまだ日の目を見ていない。そろそろ使う機会が欲しい。

 沢という界隈はかなりニッチで、モンベル好日山荘なんかの大手では品揃えが物足りないと思うことが多々ある。おそらく、登攀系の人々は沢に限らずそう感じることが多いと思うのだが。登山自体は非常に人気があって大きな店もいっぱいあるのだが、そういう店でもある程度は登攀向けのラインナップもあるがために、専門性を高めた店が戦いにくいところもあるのだろうか。ちょっと言い過ぎだが、イオンvs鮮魚店のような。結局、そういう店を優先的に選んで使っていくしかないんだろう。

 

 

 しばらくやたら文章を書く意欲がない時期が続いた。が、ちょっとずつ意欲が戻ってきた。傾向として、文章を書く気分になる時期は本を読みたくなる時期とだいたい一致する。読みたくなって読んだ結果書きたくなるのか生活に対するやる気による差なのかはいまいちわからないが、主に後者な気がする。生活に対するやる気を上げる方法の主な方法が本を読むことだったりするので難しいところではある。

 7割くらい書いて遅々として進まない11月の旅行記を早く書ききる。