焚き付け

主に日記を書く

紫宸殿

 年は変わって2022年1月。ようやくこの日記も新年を迎えられた。以降3月くらいまであまりイベントが無いのでまとめてしまっても良いのだが、とりあえずはこの月で1記事とする。

 

〇延長戦

 年末に動けなかったことで年始に18きっぷを余らせており、その消化のために東北に行った。東北自体はしょっちゅう行っているが、冬にはあまり行けていない。実家にいた頃はなんだかんだ遠く、そもそも夏に行く頻度がかなり高かったというべきな気がする。冬は泊地の問題もあってあまり適当にできないというのもある。今回は初日の宿を飯坂に取って、あとは適当に考えることにした。

 初日。なんでも実家からお前のために物を買って送ったのでそれが届くということで、昼まで待たされた。送られてきたのは特に頼んでもいない衣類乾燥兼ヒーターだったのだが、上に音がうるさくて使えたもんじゃなかった。うーん。こちらはいらんと言ったのだが…。だいたいこの手の二兎を追うやつは碌でもないことになりがちではある(今回の問題は二兎を追った部分ではないが)。

 荷物を受け取ったので、出発。18きっぷで福島を目指す。到着したら普通に夜だったので、観光はしなかった。一直線に飯坂へ。福島鉄道は初めて乗ったが、それなりに人はいる印象だ。

 飯坂温泉について、宿へ。路面が凍っており歩くのもなかなか大変だ。飯坂温泉は摺上川に沿って両岸に旅館街が広がっており、行ったことはないが鬼怒川温泉みたいだ。駅前はやたら温泉むすめを推していたのだが、駅を離れると一転して謎のゆるキャラだらけになった。対立でもしているのだろうか。温泉むすめの方はやたら絵にバリエーションがあるが数は多くない一方、ゆるキャラはひたすら同じ絵を大量に貼り付けまくる感じで戦略の相違が見て取れる。

 今回泊まった宿は奥のゆるキャラテリトリー側だった。フロントで受付した後別の建物に通された。閉業したところを買い取って別棟にしたのだろうか。温泉が屋内と屋外に分離していたが、どちらもなかなか良かった。

 夕食はちょっと歩いた中華料理屋で円盤餃子。うまいが円盤のアイデア料を取り過ぎの感がある。普通に餃子を3人前くらい食えばええやんという感じ。その後鯖湖湯にも寄った。どれくらい熱いんだろうと思っていたが、夏油の大湯よりはましでまあまあ入れた。後から来た大学生っぽい軍団が熱い熱いと大騒ぎしていて鬱陶しかった記憶がある。次は波来湯にも行きたいところ。

 宿に戻って翌日以降の作戦検討。どうも明後日はかなり好天が期待できそうだった。それならばと日本海側に行くことに。本当に晴れれば天元台でスキー、晴れなければ小野川温泉にでも行けばいいやという二段構えで、翌日の宿を白布温泉に抑えた。その後5回目くらいの入浴をして睡眠。

 

 2日目。今日は晴れだ。適当に散歩しつつ、駅へ。雪景色は晴れていれば美しい。問題はなかなか晴れないということだけだ。高台に登って西を見てみると、山の向こうに厚い雲がかかっていた。やはりここも太平洋側。山を隔ててこれだけ変わるものか。この景色を見れただけでも今回来て良かった(それだけ冬の体験が不足しているということでもある)。

 

 

 宿だけ抑えて何もやることを決めていなかった。直接米沢に出るのはいい時間が無いので、とりあえず福島に戻って仙台に向かい、仙山線までの短い乗り換え時間で半田屋に駆け込み、早い昼飯にした。急いで戻ると仙山線は遅れていたため待たされたのだが…。山寺で降りて、なんだかんだ今まで一度も行けていなかった立石寺に行ったのだが、雪道と階段で膝がまた破壊されて動けなくなったので、結局山門で撤退した。次の電車まで近くのうさんくさい入場無料の美術館的なところにいたのだが、次の電車もどうせ遅れているだろうと思って少し遅れて駅に行ったらもう発車していた。しかも次の電車は遅れているらしい。うーん。結局、1時間くらいはロスした気がする。

 山形に着くが、乗り換え時間は中途半端。そんなわけで、毎度恒例の駅前ビルの展望台で国見をやって、霞城のそばの店でどんどん焼きを買い、米沢行きに乗った。本当ならもっと滞在する予定だったのだが。いつになったらまともに山形市を歩けるのだろうか…。

 

 米沢に着き、バスが来るまでの時間で夕食。近くの食堂でラーメンにした。米沢は牛のせいか駅前の飯屋の単価がやたら高いのであまり好きではない。さっさと食べて、天元台行きのバスへ。途中までは自分以外も客がいた。途中で運転手は乗客が全員下りたと勘違いしたのかすごい音量でラジオを流していたが、白布温泉で自分が降車ボタンが押されてだいぶびっくりしたらしい。降りるときにやたら謝られた。まあこんな時間にバスで白布温泉に行く客なんて普通いないだろうし、気持ちは分かる。

 宿は不動閣。当然西屋とかのほうが良かったが、空いているわけもなく。まあしかしここもかなり立派なところで、本因坊戦のかいじょうになったこともある。前日でも予約できるもんなんだな。受付の時にワクチン接種証を見せれば米をくれるという話で、持っていなかったが2回摂取したと告げるとまあよかろうということで普通にくれた。はえぬきの真空パック1合×2だった。風呂は露天と屋内の2か所で、屋内はオリンピック風呂とかいう名前でやたら広いが、露天のほうが良い。客は全然いなかったのでほぼ何でも独占だった。いいところである。ちなみに、オリンピックの名前は東京オリンピックの時に山形県庁に置かれた聖火台が白布温泉から切り出した石を使っていた縁で、その聖火台を譲り受けて今も飾られている。ここまで雪深い宿に泊まるのは初めてだが、非常に良い。

 

 翌日。天気は文句のつけようのない快晴だった。少し上がって天元台のスキー場へ。実は下調べのおかげでこの日は米沢市の助成で半額クーポンが販売されることが分かっており、それも今回白布温泉と天元台にした理由である。果たして3000円分の金券が1500円になっていたのを2組買ったとかで、それでリフト券とレンタルのほとんどを賄えた。ありがたい。ロープウェーで上がってみると天気は最高で、雲一つない空の下、庄内平野の奥に蔵王連峰が見えた。高標高だけあって雪質もいいし、人が少なく雪面も荒れないので快適だ。唯一の難点はリフトが遅いことくらいか。天元台はロープウェー下にある林道合わせると最長滑降6000mになるのだが、林道はそのへんのスキー場と比べれば勾配があり、カーブの間隔も短いこともあって割と楽しかった。人がいないのでジェットコースター間隔で下っていける。昼飯は付いていたので久々にレストハウスで食べたが、やはり味はしょぼかった。

 

 昼過ぎに撤収。不動閣に翌日の入浴券はもらっていたのだが、日帰り入浴で西屋に行った。やはりここは素晴らしい。打たせ湯みたいになっているのだが、それが反響してとてもリラックスできる。それに人がいないので快適だ。宿の雰囲気も良く、再訪して泊まりたいところだ。結局時間がまだあったのでその後さらに不動閣にも入浴しなおし、土産物屋に寄ってバスで米沢へ。

 

 町の中で車窓から台湾料理屋が見えたので、バスを降りて入った。入店すると集団客が入ったばかりだったようで、えらく提供に時間がかかってしまった。結果、18きっぷで帰る時間が無くなったので、おとなしく新幹線で帰宅した。

 

 温泉メインの旅行ではあったが、全体的にかなり満足度は高い。2日目はやや失敗してしまったが、全体的な行程の組み立ては完璧だったと言って良いだろう。特に、当初一切想定していなかったスキーの機会を、それも好天を得るのが難しい天元台で得られたというのが特に大きい。そしてやはり冬の温泉は良いもので、来年もまた行きたいところである。

 

○VGAME

 久々の終末ソシャゲコーナー。なのだが、もはや記憶が無に等しい。さらさらっとまとめる。

 VGAMEはenishが運営し、2020年1月17日にサービス開始、22年1月5日にサービス終了した。2年弱なのでまあまあ頑張ったほうだろう。現時点で公式サイトは消えてしまったものの、紹介動画やtwitterのアカウントは現存している。なお、この作品はenishが提携している大陸の会社であるVANEPLUS PRODUCTIONSが制作したもので、大陸では消零世界という名前でリリースされている。というわけで、この作品自体は大陸ソシャゲのローカライズになるのだろうか。この辺りはいまいち把握しきれていない。

 舞台は現実に重なるように「域界」と呼ばれるものが存在する(普通の人は知らない)近未来風の世界。親友を失った主人公は紆余曲折を経て、この域界の存在とアクセスを保持する秘密結社に入り、域界から現実に侵入を試みる「奇体」と戦うことになるという書き出しで、物語を通して主人公は世界の真相を知り、そして…というあらすじになる。

 

 概要はここまでにして、さっそく内容に入る。

 ジャンルとしてはARPGになり、一番の売りも爽快感のあるバトルということである。バトルはキャラを切り替えつつ、通常攻撃といくつかのスキルを駆使して戦うことになる。イメージとしてはとわなな(旧作の方)にかなり近い。あとはガードのコマンドがあり、敵のガード可能な攻撃をガードすると、カウンターができる仕様となっている。あとはゲージが溜まると使える必殺技的なのがあったり。コンボを増やすこと、攻撃を受ける回数を減らすことで戦闘リザルトの評価も良くなる。書き忘れていたが、この作品は探索パートと戦闘は同一マップで行われるが、シームレスではない。ここの戦闘イベントがあり、全員倒すとリザルト画面になる。残念ながら戦闘中の画面はなかったが、リザルトは残していたので、下に貼っておく。ちなみにこのキャラはシャーミールという名で、武器がやたらデカく、全体的に自信家で結構うざい(かわいいが)。

 

 上述のように戦闘と探索は別になっており、基本はマップを歩いて依頼を受けたり、物語を進展させることになる。箱庭型のオープンワールドとされているが、マップに区切りがあってシームレスではない上にマップ自体大して広くないので、本当にオープンワールドといって良いのか疑問符が付く。しかしマップ自体はかなりハイクオリティな出来で、グラフィックもこの作品の売りとなっている。探索マップの画面を2枚貼っておく。グラフィックの良さは伝わるだろう。bilibiliの宣伝看板がなぜかあるが、この辺も中華作品らしいところである。

 

 先に結論から行くが、基本的にこの作品の評価は低い。理由としては単純で、あまりにもお使いゲームだったからである。基本的な流れは誰かに話しかける→物語が進む→戦闘→次の話へ、というのが延々続くだけで変化が無い。また、通行人に話しかけると依頼が発生したりするのだが、これも基本的にお使い的な感じでやっていて特に面白いものではなかった。マップがきれいなのはいいが、探索できる部分もほとんどないという感じだ。というわけで、上にも書いたがオープンワールドという宣伝文句は根本的に間違っているように感じた。戦闘についてはまあ良いと思う。が、とわななの後追い作品だと思うと物足りないというか、目新しさはないかなという具合。グラもとわなな(現大陸版)の方がいいし。この辺りが苦痛だったのと、緩和措置が無く戦闘が厳しくなってきたのもあり、結局物語は中盤までも進めなかった。なので、物語に対する評価は避ける。

 というわけで、この作品の総評としては、取り立てて突き抜けた部分が無く、そういう意味で有名作とやりあうのは相当厳しくサ終もやむを得ずというところだと思う。個人的には、サ終の告知の後、twitterの更新が一度もなかったのも寂しい。たいていの作品は終了後に本作はサービス終了しましたなど宣言があるのだが。作品としてもあまり運営に愛されていなかったのかなと思われて、個人的にはつらいところである。売れる売れないに関わらず運営する側くらいは作品に愛着を持ってもらいたいし、そうでない作品がそもそも売れるのかと思うのだが…。