焚き付け

主に日記を書く

【りんご】青林、花牛、黄蕉、ジュガラ

 恒例のりんごレビュー。今回は2024年に入って国内品種の収穫期前までに食べた4品種をメモする。中国で買った2品種を含む。

===いつもの注意点===

・この記事は最近食べたりんごを品種ごとに感想をメモする記事。

・その品種に関する概要も簡単に書いておくが、いずれもネットで雑に調べたものなので信憑性のほどは不明。話半分で。

・りんごに限った話ではないが、味は品種による差以外にも個体の差、農園の差、産地の差、年ごとの差など様々な変動要素がある。同じところで買った数個の個体で品種を代表させて語るのは軽率であるという前提に留意する必要がある。

・一部、Brix(糖度)を測定している(最近はサボりがち、今回はない)。帰宅前に食べたものはしていないし、持って帰っていてもめんどくさいのでしていないものもある。最近めんどくさいのでサボりがち。中国から輸入した安物の測定器で精度も不明なので、0.5度刻みで読むことにする。相対比較以外に用いるべきではないだろう。

・写真は背景重視で撮影している。見た目の記録という意味は薄く、むしろこの写真のためにやっていると言ってもいい。なお、必ずしも購入地で撮っているわけではない。

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〇青林(レッドゴールド×ふじ)

 岩手県の農園にて育成された品種。レッドゴールドの自然交雑で、花粉親のふじは推定であるとのこと。幻のりんごなどとネット上ではよく書かれているが、岩手に行けば意外とよく見る品種という印象がある。単に産地外に出回らないというだけだろう。そしてその理由はおそらく見た目の悪さ。味は同時期の王林に勝るとも劣らないのだが、見た目が悪いのでなかなか物好き以外には手が出ないのだろう。

 今回は会津坂下(ばんげ、と読む)のcoop bestaで購入した。以前二戸の方で見かけたこともあるが、その時は他の品種を優先して買わなかった記憶がある。袋に紙が入っており、地元の農園のものらしい。ちなみにcoop bestaはコープ会津の営業形態の一つだが、農産に関しては地元のものが結構入っていて面白いものが結構見つかる印象がある。玉はかなり小さく150gもない程度のやつが6個ほど入って350円くらいだったと思う。味に関しては青りんごらしい甘みで結構こくがある。王林とかトキとかよりはアンビシャスに近いと思う(見た目もだが)。小玉で食べやすかったのもありかなり気に入ったのだが、いかんせん売っているところがあまりなく入手が難しい。見た目が悪いという商業生産に不向きな欠点はあるが、生産量増を期待したい。

 写真は雪の降りしきる会津、柳津にて撮影。

 

○花牛

 中国シリーズその1。検索すると、在日中国大使館のtwitterに紹介されていた。日本語での記事が全くないので、ちょっと真面目に紹介しよう。

 

 以下、百度百科の記事が充実していたので主にこちらから抜粋する。この品種は甘粛省天水市、花牛村で育成された品種で、品種名もこれに由来する。1965年に香港の品評会で優勝したことで有名になったらしいが、実はこのときこの品種には名前がなく、箱に識別のため産地である花牛の名前を書いて送ったようだが、うっかり優勝してしまったので、それがそのまま品種名として扱われるようになったという話らしい。色この品種は初めて中国が国際市場で正式な商標を得た品種であり、デリシャス、ふじと並ぶ世界三大りんごとして認められている、とのこと。

 この記事によると、花牛村でリンゴの栽培が始まったのは1925年のことで、いろいろ持ち込まれた品種の中で紅元帥という品種が最も合っており、他の品種を凌駕したとある。これを素直に読めば、花牛の品種は紅元帥であるということだろう。そのうえで紅元帥について検索すると、これは別名を蛇果と言い、アメリカではRed deliciousとよばれているとのこと。つまり、花牛という名前だが、品種としてはレッドデリシャスということだ。確かに、特徴的な見た目の整合も非常に良い。長いこと栽培されて別品種と呼べるほどの差異が出ているのだろうか。気になるところではある。なお、現在は育種が進み、元帥系の新品種である「新紅星」、「俄矮2号」、「首紅」、「阿斯」、「超紅」などの優良品種が次々と導入されているそうである。

 今回は蘇州のイオンで購入した。街中の果物屋でもよく見たので、かなりコモンな品種だと思われる。値段は12.9元/500gなので、1個130円程度。見た目に非常にインパクトのある品種で、細身で非常に王冠が張り出している。色も濃い赤で最初はスターキングかと思ったが、それ以上に張り出しが強く見える。味の方は酸味がほとんどなく、甘みもそんなにない。また、食感が粉質で個人的にはあまり好みではなかった。見た目の特徴はあるが味は…という感じ。この食感と味の傾向からも、花牛=レッドデリシャスと見て間違いないだろう。

 写真は購入地であるイオン蘇州園区店の前にて撮影。



◯黄蕉

 中国シリーズその2。こちらは花牛と違い、全く国内サイトには情報がない。というわけでこれまた百度で検索してみると、黄香蕉というよく似た見た目の品種が割とよく出てくる。おそらく同じものと思われる。そして黄香蕉にも別名があり、金冠あるいは黄元帥。つまり、黄色のデリシャス、ゴールデンデリシャスということらしい。特徴があって珍しそうな2品種を選んだつもりが超メジャー品種だと分かり少々がっかりしている。まあゴールデンデリシャスにせよ今まで食べたことがなかったので別に良いと言えば良いのだが…。

 こちらも蘇州のイオンで購入した。値段は8.9元/500gと花牛よりもう少し安め。はるかのような非常に明るい黄色の見た目に美しい品種だ。が、味の方ははるかのイメージとは真逆で酸味があり、食感ももそっとしていて好みではなかった。ジョナサン系があまり自分の好みではないというのは抜きにして、先述の花牛といい中国で売られている果物はりんごだけでなくどれも見た目が良いのだが、りんご以外にみかんなども食べたものの味の方はどれも感心しなかった。味よりも見た目を重視して栽培が行われているのだろうか。国民性の違いが現れている気がする。

 写真は上海市、長江の渡し船船上にて撮影。



◯ジュガラ

 今回は家の近所のスーパーで購入した。今年から見るようになった品種だ。年々ニュージーランドから輸入される品種の多様性が増している気がする。味の方は一般的な感じだが、ちょっと柔らかめの食感だった。名前からガラの亜種を想像していたので、これは意外だった。残念ながら自分の好みではないのだが、普段ジョナゴールドをよく食べる人へのアプローチなのだろうか。これまで輸入されてきた品種はどれもクリスピーなものばかりなので存在感はあるが、輸入りんごをいろいろ食べ分けようという意思のある人がどれくらいあるのかはちょっとよくわからない。どうなるか見てみようというところだ。

 写真は取りそこねてしまった。旅行先で買ったものではない品種はどうにも写真撮影を忘れてしまいがちだ。

 

 そういえば、昨年イギリスに行ったときにりんごを食べたのだが、品種が思い出せない。2品種あり、片方はブレイバーンだったと思うのだが…。記憶がなくレビューもできないので、写真だけ載せておく。撮影地はイングランド、Skafell Pike(1枚目)とグリニッジ天文台(2枚目)。