焚き付け

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【りんご】スターキングデリシャス、スリムレッド、こうたろう、秋陽、炎舞、シナノホッペ、こうみつ、北斗

===いつもの注意点===

・この記事は最近食べたりんごを品種ごとに感想をメモする記事。

・その品種に関する概要も簡単に書いておくが、いずれもネットで雑に調べたものなので信憑性のほどは不明。

・りんごに限った話ではないが、味は品種による差以外にも個体の差、農園の差、産地の差、年ごとの差など様々な変動要素がある。同じところで買った数個の個体で品種を代表させて語るのは軽率であるという前提に留意する必要がある。

・一部の個体でBrix(糖度)を測定している。中国から輸入した安物の測定器で精度も不明なので、0.5度刻みで読むことにする。相対比較以外に用いるべきではないだろう。

今回は2020年9月中旬から11月上旬までに新しく食べた品種(食べたことがあってもまだ記事にしていないものも含む)をメモする。

 

○スターキングデリシャス(デリシャスの着色系枝替わり)

 今でこそあんまり見ない品種だが、紅玉に代わってジョナサン系の時代を築いた名品種。ネットで得た情報によると千疋屋が高級品として売り出したものが大ブームになったらしい。やはり生食なら酸味特化の紅玉より甘み特化のスターキングに軍配が上がったということだろう。その後生食用品種としてスターキングはつがるにとってかわられるのだが、一方でスターキングにとって替わられた側の紅玉は主に料理用として現在も一定の地位を占めているというのは面白い。

 今回は東武東上線ふじみ野駅の近くにある、フジファミリーショップという昔あったフジパン系列のコンビニが今も個人経営の形で続けている店で購入した。この大きさで確か3個で250円とお買い得だった。味、食感の方は典型的なデリシャス系という感じ。予想通りなのだが、残念ながらこの食感は好みではない。ヨーロッパで食べたレッドデリシャスとかもそうだったが、まだデリシャス系で好みの品種と出会ったことがない。やはりきちんと品質管理されたものを一番いい時期に食べるしかないのだろうか…。写真は谷川岳付近の稜線にて撮影。分かりにくい個体を選んでしまったが、王冠ははっきりと出ており、色も見た目以上に濃い。

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○スリムレッド(ふじ×あかぎ)

 花粉親があかぎであることからも分かる通り、群馬県で育成された品種である。名前の通り長円形のスリムな形と明瞭な縞模様が特徴で、収穫期は10月末ごろ。

 沼田駅前のヤマザキショップにて購入した。大きさは150gもないだろうか、やはりスリムな形だ。値段は確か4個で200円。味の方は酸味が強めなのだが、甘みもそこそこという感じ。味が濃い品種は1個まるまる食べると途中でもうええわってなりがちなのだが、このサイズ感なのでこれくらい味が濃くても大丈夫だ。一人暮らしにはこういうのがいい。あとは果肉がかなり黄色味を帯びていた。写真は犬吠埼付近の海岸にて撮影。形が特徴的なので、あえてシルエットだけにしてみた。ちなみに写真に全く写っていないが縞模様は結構入っている。

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○こうたろう(ふじ×はつあき)

 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構という長ったらしい名前の研究所の森岡の農園で育成され、2001年に登録された品種で、収穫期は10月下旬。あんまりここに書くような特徴がない…。

 これは昨年どこだったか忘れたが食べた記憶がある。スマホに残された当時のメモには「200g程度、味は薄目で食べやすい」とだけ書かれている。今回は10月25日に水上の鈴木農園にて購入した。もう最後の数個がレジの横で飾るように売られていたのだが、もう収穫は終わっていて本当に最後の残りということだ。今回買ったものもやはり大きさは200g程度だろうか。食べたのは11月3日だったが、果肉が非常に硬かった。味の方も割と薄く、色づきは良いがもう少し待って収穫しても良かったのでは?という印象がある。もっとも昨年のメモの通り味が薄めというのはその通りなのだろうが…。写真は横軽線廃線跡のめがね橋にて撮影。ちなみに買ったときにおまけで新世界をもらったのだが、写真もメモも残っていないのでレビューは省略。そこそこ好きなんだけど。

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○秋陽(陽光×千秋)

 山形県で育成され、2008年に登録された比較的新しい品種で、収穫期は10月上旬。山形県最初のオリジナル品種ということだ。山形オリジナル品種と言えばはえぬき、つや姫、雪若丸の米3品種が有名だが、こちらはまだまだ発展途上というところだろうか。千秋はいろんな品種の親になっているが、探した限り秋陽に兄弟品種はいないようだ。

 これはイオン東金店(千葉県)の青果店で売られていた。確か4個で350円とか。買った当初はろうは出ていなかったが、しばらく置いておくと出てきた。味はつがるに似ているという印象がある。それ以上の感想が出ない。もっとも、つがるに似ているというのは決して悪い評価ではないということはちゃんと述べておきたい。収穫期も違うので。写真は旧碓氷峠にて撮影。

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○炎舞(いろどり×ふじ)

 長野県中野市の農園が2014年に申請、2018年に登録されたばかりの新品種。特徴は何といっても果肉の深部にまで赤色が入る点で、この農園は果肉まで赤くなる品種を複数育成しているようだ。ちなみにこの手の品種は数年前になかののきらめきを食べたことがある。また、親品種のいろどりも同様に果肉が赤く着色する。

 今回は軽井沢の露店で300円で売られていたのを購入した。割高だが、聞いたこともなかったので迷うことなく買った。切ってみると確かに内側までほんのりピンクに染まっているが、ちょっと名前負け感は否めない。個体が悪かった可能性もあるが、炎舞という名を付けるにふさわしい中まで真っ赤な品種を育成してもらいたい(ネットで見つけた写真はもっと着色が良い…)。味の方は酸味が強め、甘みはやや薄めという感じ。個人的にはこれでもそこそこ好みだが、一般に売るならもう少し甘みがないときつそう。食感は硬くないけれどもどっしりしている感じでこちらはかなり好み。この手の果肉が赤い品種、どこまで人気が出るのかは全く予想がつかないが、いろいろ試している姿勢は非常に良いと思う。写真は小諸にて撮影。

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○シナノホッペ(あかね×ふじ)

 長野県が2011年に出願、13年に登録された品種。登録品種データベースによると、シナノシリーズは登録されているだけで現在8品種あり、シナノホッペはその中で2番目に新しい。ちなみに一番新しいのが前回レビューしたシナノリップである。逆に一番古いのはシナノスイートで、こちらは1998年登録(ただし秋映はもう少し古い)。晩生の大玉品種で、蜜が多く入るのが特徴。ちなみにあかねもふじも多数の品種の親だが、兄弟品種はなさそう。この掛け合わせの品種が13年まで登録されていなかったというのも不思議な話だ。

 こちらは同じく小諸の大池農園で頂いた。頂いた、というのは訪問時にシナノホッペの販売は終わっていたのだが、落ちていたものが残っていたのでそれを3個いただいたという経緯だ。いくら落果とはいえタダでもらうのも申し訳ないので、せっかくだからと購入したのが次項のこうみつである。大きさは300gくらいだろうか、置いておくと少しろう物質が出てきた。割ってみるとそこそこ蜜が入っており、果皮の赤色が若干内側にまで侵食していた。味の方は甘み酸味ともに濃いめ。食感はかなり硬く、丸かじりだとちょっとしんどい感じがあるが、全体としては結構好み。写真は山梨県南部町、西行峠にて撮影。

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○こうみつ(スターキングデリシャスの自然交雑種)

 福島県の農園で育成され、2001年に登録された品種で、一番上でレビューしたスターキングデリシャスの自然交雑種である(スターキングって3倍体品種じゃないんだ…)。ちなみに遺伝子解析によると、花粉親は紅玉とのこと。名前の通り、非常に蜜が多く入るのが何よりの特徴。

 入手経緯に関してはシナノホッペに書いた通り。確か200円だったかな。購入したやつはそれほど目立っていないが、並んでいたものはスターキングの子らしい王冠のはっきりしたものが多かった。切ってみるとやはり評判通り蜜が多く入っていた(でも正直もっと入っていることを期待していた)。Brixは13.5と今まで測った中で最も高かった。味の方は甘みが強く、酸味はほとんどない。なので個人的にはちょっと物足りないかなという感じだ。食感はこちらも炎舞と同じで密度が高いのにそこまで硬くないという感じでとても好み。残念ながら風景と一緒に撮った写真はない。

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○北斗(ふじ×陸奥?)

 青森県が1981年に出願、83年に登録された品種で、成熟は10月下旬。上には花粉親が陸奥と書いているが、どうも遺伝子解析によると陸奥ではないらしい。ちなみに3倍体品種である。食味良好な品種として有名なのだが、芯カビに弱いという大きな弱点があるのがあまり出回らない要因か。別に食味には影響しないのだが…。もったいないね。

 今回買ったのは山形県産。近所のイオンで見切り品コーナーに置いてあったのを買った。やはり首都圏は産地が近いからか売っている品種数が関西より多い気がする。大きさは350gくらいあるだろうか、結構大玉だ。着色は悪いがまあ見切り品なので仕方ない。近づくとかなり明瞭な芳香があるのだが、すこしすっぱそうなイメージ。切ってみると蜜が入っていた。実際に食べてみるとそんなに酸味はないなという感じだったが、食べる場所によって味の差が大きいと思った。平均的に見れば甘酸適和で、味自体は全体的に濃い。ちなみにBrixは10.0だったが、最近この値ばかりなのでどこまであっているのかかなり不安。水道水だと0になるので大丈夫だとは思うのだが…。見切り品のところに置かれていただけあって若干ボケかけていたが、ジョナサン系のようにシャリシャリという感じではなく、団塊状に崩れていく感じ。独特な食感という印象だ。大きいので2回に分けて食べようと思っていたのだが、一度に食べきってしまった。総合すると、良い意味で癖の強い品種といえばいいだろうか。おもしろいと思う。こちらも風景と一緒の写真は無し。

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