焚き付け

主に日記を書く

碧空天涯

 8月。

 いつのまにか、夏がいちばん好きになっていた。昔は秋が一番好きで、次いで春、冬があって最後に夏だったと記憶している。数年前からだと思う。中学か高校の頃だったか、夏は脱いでも暑いのでどうしようもないが冬は着れば寒くないので冬のほうが良いなどと言っていた気がする。意外と成長できているようだ。

 この月は休みが不規則だったこともあり、あまり外出していない。

 

○三崎 

 久々に三戸浜に行ってきた。もっとも、三戸浜がメインというわけではない。三崎の題の通り。京急油壺マリンパークが8月だか9月だかで閉園するとのことなので、最後に訪問するのが目的だった。油壷マリンパークはみさきまぐろきっぷの特典を使えば無料で入れ、かつ定価で見ると圧倒的に特典のなかでも還元率が良い。ということもあって、みさきまぐろきっぷで行った。

 朝に家を出て、横浜からまぐろきっぷを使用、三崎口へ。バスも無料なので、乗ってしまえば1本でマリンパークに行けるのだが、結局足が三戸浜に向いてしまった。もう何回目かも忘れてしまったが、5回目くらいだろうか。いつも通りの砂浜だ。富士山は見えなかった。

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 なんとなく気分が乗ったので、ここから油壷まで海岸通しで行くことにした。初声の漁港を突っ切って磯に入り、そのまま進む。あまりきれいな場所でもないし日当たりも良くないしフナムシはやたら多かった。が、静かで穏やかで、秘密基地的な良さがある。また、途中向こうから銛を手に無人島生活みたいな恰好をした謎の人がやってきて怖かった。スニーカーで何とか足をぬらさないよう進んだのだが、最後の小網代の堤防の手前で回避不可能な場所が出てきたので、そこだけ裸足で突破することになった。よく考えたら海に浸かるのは久々な気がして気持ち良い。

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 ここから小網代の森まで海岸通しで行きたかったのだが、理由は忘れたが失敗した。実は小網代堤防までの区間はショートカットになっていなくて、ここから森までが真にショートカットを狙う価値のある区間だったのだが。結局大きくバックして台地に上がり、上から小網代の森に入ることになった。おまけにgooglemapに書いてある道が探してもなかったりで、やたら時間と体力を消耗した。しかし、この辺りは三戸の畑の南端あたりで、非常に雰囲気が良い。三崎口の駅の北の方も結構良いのだが、こちらの方がちょっと上だろうか。

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 疲弊しきったところでようやく油壷へ。道中、あまりの疲労につい自販機でジュースを買ってしまったほどである。ここまで来ると急に人臭い。一方三戸浜の静けさ。

 油壷マリンパークは正直に言ってしょぼかった。老朽化が激しい上に、敷地の割に展示があまりに少ない。もともと建て替えるつもりもなかったのだろう。そのおかげで人が少ないなら全くそれで問題ないのだが、これで人も多いとなっては厳しいものがある。とは言え、子供連れの客が多く、そういう意味ではつぶれるのがもったいないところでもある。

 写真は多めに貼っておく。

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 バスで町の方に戻り、まぐろきっぷ対象の店で昼にした。選んだのは内臓の焼いたやつやマグロアイスが出てくる店で、自分の他にもまぐろきっぷの客がいた。やはりマグロは生だとおいしい。カツオもそうだ。赤身は鮮度の良いものなら割と受け付けるらしい。肝心のアイスだが、これはいかんとも表現しがたい味だった。臭みはないのだが、臭みのある味がする。脳が混乱する。上に乗っているワサビがあったほうが良い。もう一度食べたいとは思わない。

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 再度バスに乗って浜諸磯へ。油壷の南の半島で、灯台がある。質実剛健という印象。ロケーション自体はそこそこ良いのだが、意外と人が多かったのがマイナスポイント。次のバスがしばらくなかったので、歩いて三崎港へ。思ったよりだいぶ繁盛している。いままで三戸浜しか行っていなかった自分にとっては驚きというほかない。一大観光地だ。

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 市場のような場所をちょっと見学ののち、再びバスに乗って今度は城ケ島へ。序盤でやたら時間を食ってしまったので、駆け足で島の東西を見るだけになってしまった。東の公園が広々していて良かった記憶がある。西の方は観光地っぽい感じだった。これなら三戸浜が最も良いだろうか。本当は剣崎の方も行きたかったし行くつもりだったのだが、完全な時間切れ。ここだけで1日食いそうだ。

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 ついでに膝の調子も怪しくなってきた。バスで駅の方に戻る途中、台湾料理屋を見つけたので、そこで夕食にした。たまには定食じゃないメニューを頼もうかと思い、焼きそばを注文。中華系の焼きそばは結構好き。家でもソース焼きそばよりはよく作る。

 その後、電車ですんなりと帰宅した。

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 写真を見返してみると、やたらフィルターをかけたような写りが多い。もちろん、実際はかけていない。ズボンのポケットに入れていたので汗でレンズが湿っていたとかだろうか。まやかしの感はあるが、なんとなく三浦の心象風景と一致している。写真が良いと思い出も良い。

 

○佐原

 Nに誘われたとかそんな感じだったと思う。前回銚子に行ったときに回れなかった佐原などのリベンジだ。

 朝の電車で佐原に向かい、現地合流。適当に散歩する。川をひっきりなしに船が行ったり来たりしており、なぜか1羽の白鳥がいた。船、乗って楽しいのだろうか。全体的にはよくある重伝建の町並みという印象。伊能忠敬博物館にも寄ったが、ここは地図がいっぱい飾ってあって良かった。あとは利根川に出て道の駅で梨を買ったり。昼は謎の洋食屋でインディアンライスとかいうやつを食べた。カレーピラフに豚肉の焼いたのを乗せたようなやつだったが、豚肉がしっかり叩かれていて柔らかかった記憶がある。この辺りは洋食屋らしい。

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 写真が無いため記憶があいまいなのだが、このあと確か鹿島神宮に行った。これまた記憶があいまいなのだが、確か2016年以来だと思う。15かもしれない。夏の暑い日だったことは記憶している。前回も思ったが、森が広くて良いところだ。相変わらず駅前は何もないし電車は少ないので、駅に戻ってからやたら暇をした。東京からのバスの本数が多くて安いので、電車で来るところではないかもしれない。

 この後成田のブラジル料理屋で夕食にした。値段は相応に高かったが、結構本格的だしおいしい。聞けばアントラーズの選手もよく来るらしい。そもそも、成田に住む人が多いとのこと。結構遠いと思うし実際かなり距離はあるのだが、国際都市で生活環境が圧倒的に良いのだろうか。車だと早いのかもしれない。

 食って解散。

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 実は佐原は小6の頃に知った地名で、今まで行きたいと思いながら一度も(駅前を除いて)行けていなかった。小学校の頃最も仲の良かった友人のうちのひとりの実家だか何かがあるというので知った。詳しいことは聞かなかったのだが、その時からなぜかやたら行ってみたいという思いはあった。親戚が全員実家の近くにいたから、そういうのがうらやましかったのかもしれない。そいつは自分よりもだいぶ賢くて、中学もそれぞれ別のところに進んだ。中3の頃いちど駅でばったり会ったっきりで、以降一切の噂も聞いていない。割とゲームの趣味が合っていて、その時はすばらしきこのせかいの話題で盛り上がった記憶がある(周りに知っている人はほとんどいなかったから驚いた)。小学校の時に一緒にモンスターファーム2をやった記憶もある。自分と同じであんまり世の中と折り合いをつけるのが得意ではなさそうなやつだが、元気にやっているだろうか。なんとなく医者になっている気がする。

 

 

 これを書いている今が1月だから、余計に夏が恋しいという気もした。