焚き付け

主に日記を書く

私の未完成  後編

 前編のあらすじ…福岡大分熊本佐賀長崎をレンタカーで回り、新中華に上着を忘れた。

 

○3/9

 朝8時。無事車を返した。時間はあるので天神に向かって歩くことにする。目的は閉店が決まっている天神コアだ。鹿児島までの移動方法はまだ決めていなかったが、飛行機の選択肢はないのでなんにせよ博多には行く必要がある。

 荷物が重いので途中休憩したりもしたが、1時間と経たずに天神まで到着した。そのそもこれまで福岡の中心部は歩いたことが無かったので地理感覚が一切なかったが、天神と博多が意外と遠いこと、博多と空港は本当に近いことが実感できた。天神コアはファッションビルなので明らかに見た目的に(自分が)浮いており、ビル内であらゆる人にやべえやつを見る目で見られた。店内にはこれまでの歩みや惜別カードなどが貼られていた。また、近くのビルにも惜別幕がかかっており、やはりさすがの影響力という印象だ。

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 天神バスターミナルでとりあえずバスの選択肢を検討する。が、結局忘れ物の回収と18きっぷの方が安いので、18で行くことにした。ということでまた博多まで歩く。ここで18きっぷを買い、電車待ちの間にもう一度新中華に連絡を入れる。今度は回転間際ということもありちゃんと日本語を解する店員が出てくれ、服が正しく新中華にあることが判明した。

 そんなわけで吉野ケ里に向かい、新中華で上着を回収する。そのまま折り返したのだが、時間が短く礼もそこそこに走って駅まで戻った。昼は鳥栖の駅そばで済ませ、そのまま一気に南へ。肥薩線の本数が少ないので実は時間の猶予が全く無かったのだ。ちなみに肥薩線は初乗車だがガスっており景色は微妙だった。吉松かどこかで1時間くらい乗換待ちがあったのだが、雨だったので外には出ず。

 隼人から都城に出る。本当は吉都線が良かったが、本数が無かった。ここでアパホテル併設の謎RICに行き(なぜかオレンジの看板)、麺勝都城本店で晩飯を食って閉店間際のイオンを見てあわただしく折り返した。

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 隼人に引き返し、隣の日当山まで歩く。目的は宿。ちょうど隼人駅の待合室に小破したビニール傘が放置されていたので、さっそく装備することにした。雨は大して降っていなかったが助かった。誰か知らんがありがとう。

 

○3/10

 翌朝。日当山と言えば温泉が有名で、特に家族風呂という少人数用の時間制の風呂がたくさんあるのだが、今回は単独なので一番近い銭湯に入った。なんかここは西郷がよく通っていたらしい。まだ6時だったがかなり繁盛しており、地元のおっちゃんとコロナトークをした。普通に関西から来たと言ったが、特に蜂の巣にされるなどという事案は発生しなかった。風呂から上がると、そのおっちゃんの荷物を入れる袋がSATYのものでかなりびっくりした。何という物持ちの良さ。

 別にわざわざやらなくても良いのだが、時間が余っているので合流のために鹿児島空港まで歩くことにした。鹿児島空港は11月かどこかで脱出をやったところだ。その時は中福良だったので、今回は一応ルートは違うことになる。が、こちらは歩道がない上に交通量が多いので、正直お勧めできない。

 少し休んでいると、SとOがやってきた。まあしょっちゅう会っているので大して感慨なんてものはない。実はこの後の行動を何も考えていなかったので、まずはそこからスタート。とりあえず車を借りることにして、近場の霧島神宮に行くことにした。 

 道中、目の前にあった熊襲穴なる場所に寄る。要はヤマトタケル熊襲を討伐したと言われる洞窟だが、勝手に塗りなおされたキリストの肖像画よろしく洞窟内は謎のペインティングがなされ、謎のポエムが書かれた看板が立っていた。霧島神宮はよく覚えていないが霧が出ており普通だった記憶がある。ちなみに高千穂河原には行っていない。

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 ちょうど宮崎で働いている先輩のN氏に連絡を取ってみたのだが、返信があって晩飯を食うことになったので、ここからは宮崎に向かうことにする。志布志市役所の例の看板を車窓からのぞき見して、宮崎県に入る。道中で津之輝(近年はやりの高級柑橘シリーズの一つ)を売っているのを見つけて購入したが、期待していたほどではなかった。

 とりあえず都井岬に行く。馬がいること以外特に知らなかったが、馬の保護なる名目で柵を巡らして関所を設けて入場料を取っていることに皆で憤慨した。ついでに灯台が工事中で入れず、こちらもブチギレる。結局、うろうろして馬を遠巻きに眺めて撤収した。

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 続いて、鵜戸神宮へ。ここは期待通り。海上の岩に向かって土器(5個100円で売っている)を投げるというのがあるのだが、ちょうど柵の向こうに1個転がっているのを見つけたので、Oを焚きつけて投げさせたが大暴投しており面白かった。当然乞食なのでわざわざ買って投げたりはしない。ついでだが、少し離れたところにある波切神社も人がおらず良い。

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 約束の時間まで少しだけ余っていたので、謎の島に寄った。ちょっとした橋を渡って島に上陸できるのだが、ただでさえ日が暮れて暗い上に風がアホみたいに強く、戻るころにはマリオのステージのようになっていた。余裕そうにゆっくり戻ってきたOは完全に被弾していた。こんな時に来る客なんて当然自分達だけだろうなあと思っていたら、ハイテンションのインバウンド軍団が喜んで渡っていた。

 N氏とは宮崎駅前のセブンイレブンで待ち合わせということで向かって待っていたわけだが、なかなかやってこない。しびれを切らして電話してみると、別のセブンにいることが判明した。いくら宮崎県といえど、駅前のセブンは一意に定まらないのである(正しくは3か所あった)。その後無事合流し、N氏オススメのとんかつ屋で飯を食った。なんでも氏はこのあとすぐ戻らないといけないらしく、あまりゆっくりとすることもできずに解散となってしまった。半分飯をたかるだけのような形になってしまい申し訳ない。あと、食後に買ったブラックモンブランが初めて当たった(多分5個目くらい)。その後自分は寝ていたのでよく知らないが、無料で入れる野湯のそばで車中泊した。

 

○3/11

 朝よくわからん時間に起きる。まだみんな寝ていたので、風呂に入ってきた。謎の滝もそばにあり、なかなかコンテンツ力の高い場所だ。肝心の風呂はなんか汚かったがぬるくてなかなか良かった。車に戻ってもまだ二人は寝ていたので、上にあった謎の公園にも行く。和気清麻呂がどうのこうのと書いていたが、よく覚えていない。そんなこんなしているうちにふたりは起きてきた。ふたりとも昨晩に温泉に入ったらしく、Sは風呂の汚さについて文句を言っていた。

 この日も何も決めていなかったが、結局沢に行くことにした。実は自分とSで5年前に行ったことがあるのだが、なんだかんだ良い場所だったのと下流からの遡行はやっていないので改めて行くことにした。スーパーで大量の半額パンを購入し、途中カーナビに騙されて謎の場所に連れていかれたりしなどあったが、沢自体は非常に良かった。温泉が湧いていることで有名な沢なのだが、様々な理由から詳細については書かず、写真のみとする。あまりに温泉に入りまくっていたのでOが温泉地獄などと言い出していた。

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 下山後、鹿児島空港でFと合流する。Fは偶然にもこの時期に大隅の祖父母家に行こうとしており、渡りに船ということで沢に一緒に行くことになったのだ。Fはふたりほど頻繁に会っていないのでやや新鮮だ。

 とりあえず車に乗る。行先は決めていなかったがそこそこいい時間だったので、夕陽でも見ようと適当に地図を眺めて国分城山公園に行った。謎の機関車やら観覧車やらがあったほか、変な動物がいる公園があり良かった。平野の向こうに錦江湾桜島が見えてきれいだ。なお思ったより陽が高かったので、夕焼けは見ないで撤収した。

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 続いて、自分のたっての希望で隼人のA-Zに行った。要は超巨大なスーパーセンターだ。どのくらい巨大かというと、中古車の販売場があったりメインの建物とは別にコンビニ棟があるレベルである。個人的には骨董品コーナーが面白かった。翌日の買い出しをして撤収。

 夕食は近くにあるくろだるまへ。唐揚げとチキン南蛮のセットを食ったが量も多くて幸福度が高かった。やはり九州のチェーン店は強い。こういう揚げ物系の店に行くとだいたい唐揚げとチキン南蛮のセットがあり、かなりの割合の人々がこれを食っている気がする印象がある。かくいう自分もだいたいこれを食っているのだが、店の策略に乗せられているという感覚があり、いつも敗北感を味わいながら食べている。部の人々は割とこの感情を共有してくれる割合が高い印象がある。

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 その後日当山で今度こそ家族風呂に入り、垂水の道の駅に行って寝た。

 

○3/12

 起きると車が灰まみれになっていた。給油ついでにそばのガソスタに入って灰を流してもらう。

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 この日は天気も悪くなかったので、沢に行くことに。岩屋川というところ行ったが詳細は別記事にする。少しだけ写真を貼っておこう。まあそれなりの沢といった感じか。

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 下山後はそのへんの温泉に入ってからFおすすめのとんかつ屋に行った。またとんかつか、というのはさておきうまかった。飯とキャベツを無限に食えるという場合に限りとんかつ屋は下山後の食事の上位候補になりうる。その後マックスバリュで買い物をして別の道の駅で寝た。

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○3/13

 この日は観光日。あまり記憶が残っていないのであっさりと書くが、神川大滝と雄川の滝に行った。雄川の滝は地形こそスケールがでかくて良いが肝心の滝はそこそこ歩いた割に水量が少なくてしょぼく、神川大滝は横の公園の滑り台のほうが楽しかった。昼飯はどっかの漁港のカンパチが有名な食堂で食べたが、でかいアラ煮がついていた記憶がある。肝心の味はよく覚えていない。

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 昼飯のあとテイエム温泉牧場なる温泉に行った。なんで温泉牧場なんだろう。そして競走馬のテイエムと関係はあるのだろうか。ここはなかなか破天荒な施設で今にもぶっ壊れそうな掘っ立て小屋みたいなところに有馬温泉の金泉みたいなのが湧いている。管理人のおっちゃん曰く数年で成分が結晶化してパイプが詰まるらしく管理が大変らしい。

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 このあと猿が城渓谷に行ったのだが、いまいちどこを見ればよいのかもわからず撤退した。が、よくわからんままに寄った謎の森の駅的な場所がなかなか良く、敷地に設置されていたスラックラインなどの遊具で1時間くらい遊んでいた気がする。館内に「これがシャワークライミングだ」的な展示と写真があったのだが、一体何がシャワークライミングなのか意味不明だった。いろいろいちゃもんを付けている我々を職員が不審な目で見ていた。

 それでもまだ時間が余っているので桜島に上陸することにした。この付近をフィールドにしているOの案内で展望台やら長渕やらを見て島を一周した。中3の時に来て以来だが、意外と覚えているもんである。鹿屋に戻ってラーメン屋で夕食とし、ここでFとは別れた。その後なぜか志布志に向かったとgooglemapのタイムラインには示されているが、全く覚えていない。

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○3/14

 この日は大隅一周ドライブ。でかいカブトムシの像がある道の駅でパンフレットをかき集めて適当に見て回った。古墳やら戦跡など。あとは酒造に侵入しようとしたら誰もおらず撤退した。昼は内之浦の漢字三文字くらいの店で食べたが、非常に良かった。この店は内之浦に3件くらいある飯屋の中で明らかにgooglemapの評価が悪い店だったのだが、全くあてにならないことが示された。ちなみにこの店を選んだ理由はじゃんけんの結果である。

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 多分開いていないだろうなと思いながらJAXAにも行ってみたが、案の定開いておらず通過。適当に漁港やら砂浜やらをうろうろしつつ佐多岬に着いた時にはもう夕方になっていた。砂浜から海岸をへつってこれが本当の最南端だなどとやるなどした。それは置いといて佐多岬は端っこ感があって良い場所である。

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 その後一気に西海岸を戻り、夕食は鹿屋アスリート食堂なる鹿屋体育大学のそばの食堂に行った。名前の通り客はみんな強そうな人ばかりで、同じ学生なのに我々だけなんとなく浮いているというありさまだった。なお、味はいいが飯の量は非常に多い。ある意味婚旅行最大の核心だったと言える。この後どこで寝たのかはもう忘れた。

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○3/15

 この日はもうひとつの沢、高須川というところに行った。やはりこちらも詳細は別記事にすることにする。どちらかというと前の岩屋川よりはこちらの方が好みである。下山後は財宝温泉に行ったが思ったより風呂は小さいし人は多いしで正直微妙。名前負けという感がある。O曰く宿泊する分には割と良いらしいが…。鹿屋に戻って打ち上げをしたが、良さげな店が見つからず苦労した。結局適当な居酒屋に入って鳥を焼いたやつや鳥刺しなどを食した。その後また垂水の道の駅に戻って就寝。施設内の椅子で堂々と寝ていたら警察に職質されたが、施設内で寝ていることについては特に咎められなかった。鹿児島はいいところだ。

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○3/16

 最終日。土産の購入も兼ねてふたたびAZに行く。あいかわらずでかいところだ。しばらく時間を潰してもまだもう少し時間があったので、もう一度天降川温泉の家族風呂(前回とは違うところ)に行った。こちらも相変わらず安い。この後空港に向かう途中にあった店で500円の海鮮丼を食ったのちレンタカーを返却した。明らかに借りた時よりボロボロになっていた気もするのだが、不問だった。最近雑なのか、鹿児島が雑なのかは謎だが。

 フライトの時間まで足湯で時間を潰す。Oは最後まで温泉地獄にがんじがらめだなどと言いながら足湯には入らずラウンジに消えていった。焼酎地獄をやっていたらしいが。そんなこんなでSとOは先に飛び立っていった。

 今まで寄ったことが無かった西郷公園に行ったり試食地獄をやったり1時間半ほど潰し、ようやくフライトの時間になる。沈む夕陽から逃げるように関西に戻り、12日の旅行は幕を閉じた。

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 学生の間あまり足が向かなかった九州だが、今回12日滞在したおかげでそこそこ輪郭を得ることができたように思う。ついでにようやく47都道府県の訪問も達成した。

 記録を見返してみると、大学入学時点の自分なら絶対にやっていないような旅行になっているなという印象がある。沢もそうだし、商業施設もそうだ。そもそも入学前の自分が何に興味があったのかもはや思い出せないというのもあるのだが、それは置いといて何も変わっていないように見せかけてゆっくりと変化しているものである。

 SATYにお別れの時間がやってきました。またのご来店、心よりお待ちしております。

 

 この後、訪問した全チェーン店のレビューと簡単な沢の記録をそれぞれ別記事にまとめる(いつになるかはわからんが)。