焚き付け

主に日記を書く

私の未完成 前編

 この記録は3月前半の日記を兼ねる。

 

 世間の大学生は卒業旅行というのをやるらしい。が、これは旅行が特別な行為であるという認識の裏返しと言えるだろう。我々のように日常的に旅行をする人間にとっては旅行に理由付けをする必要なんてないわけで、卒業が迫ろうが留年が迫ろうが結局いつも通り旅行するだけのことである。前置きはいいのでさっさと本題に入ろう。

 

  日程は3月の5日から16日、行先は九州である。理由はいくつかある。まず国内にした理由として、沢に行きたかったから、国内のほうが好きだから、世間では卒業旅行で海外に行くという風潮がある気がして反発したくなったから、など。そして九州にした理由として、大学入学以来未踏の都道府県が残り宮崎と長崎だけだったから、沢に行けるだけの気候を備えているから、など。この辺りは当初描いていた見取り図が影響しているのだが、そのあたりは後述するかもしれない。

 今回の旅行は前半と後半に分かれている。まず前半は学内の友人(N,Pとする)と北部九州をめぐり、別れたのち南に移動して大隅半島を想定して部のやつら()と沢に行くという計画だ。

 ここから先内容に入るが、結構厖大なコンテンツ量があるので割とあっさり目に進めていくことにする。前半は開幕で借りた車を返すところまで、後半は鹿児島に移動するところから。

 

 ところで、この記事のタイトルでもある私の未完成について先に説明しておこう。まずこの曲を聴いていただきたい。


Puzzle fantasy

 

 「私の未完成」はこの曲のサビで何度か登場するフレーズだ。曲名はpuzzle fantasysaty、今やイオン傘下となったsatyのクロージングソングだ。この曲を知ったのは1月頃で、それ以来研究中のBGMとして最も多く聞いた曲の一つと言って良いだろう。誰もいない夜中にこの曲を聞いてからシュラフに潜り込んで寝るというのが常態化していた。それだけに思い出深い曲だ。で、この曲を一度twitterで宣伝したところそこそこ反響があり、今回の旅行の同行者であるPが気に入ってこの旅行中のハッシュタグを私の未完成として使っており、そういう経緯でこの記事のタイトルにも採用した。なんとなく、こうやってタイトルを付けるとちょっと特別な雰囲気が出ている気がする。

 

○3/5

 朝に福岡空港に集合した。この時メンバーは3人、自分と学科の友人(Nとする)、それに別学科のtwitter経由で知り合った友人(Pとする)だ。両者ともに以前からこのblogで何らかの漢字をあてていたはずだが、忘れたので今後は管理しやすいよう適当なアルファベットにする。当初は1人で無計画に旅行する予定でいたが、そこにBが加わり、さらにNも1泊だけ参加ということになった。そういうわけで、翌日まではNとP、その後8まではPと動くことになる。

 今回の移動はレンタカーにした。日程にもう少し余裕があればsunqパスを使ってみたかったのだが。sunqパスは無計画に使うには難し過ぎる一方で無計画で使ってこそ面白いというのが惜しい。

 福岡空港で車を借りる。安いプランだったがなぜかそこそこきれいなハイブリッドのフィットが来た。長距離なので非常にありがたい。この日は別府の温泉旅館に泊まるという一大イベントがある以外何も決まっていない。目的地を別府に設定だけして、とりあえず進むことにした。なんでもない国道ながら、ロードサイドの風景の違いが新鮮だ。九州はローカルチェーンが多いので、よく見ると関西とは全く雰囲気が違う。車中では、飯はなるべくチェーン店にしようということになった。とりあえず東に進みながら、目的地を話し合う。結果、自分の主張により閉店が決まっているクロサキメイト(黒崎井筒屋がある建物)に行くことにした。

 車を走らせること1時間か2時間くらいで到着。駐車場の入り口が分からずに都会特有のやたら一通の多い分かりにくい道をだいぶ長いこと近くを右往左往する羽目になった。立体駐車場に車を止めて中を散策。井筒屋は面積をかなり縮小しており、テナントも多くが抜けていた。空きテナントのスペースも封鎖されていなかったので、やたら高そうな店舗の跡を眺めたりレジにPを立たせて写真を撮ったりした。元気に営業している店舗のすぐ横がゴーストタウンのようになっているのは何とも不思議な感覚だ。その後食料品売り場でおきゅうとを買い、移動。

f:id:snwchkrn:20200616230443j:plain

 そろそろ昼ということで、チェーン店に行くと決めていたので記念すべき1店目は浜かつへ。今回訪問したチェーン店は最後に全部まとめることにして、詳細はここでは割愛する。 昼を食べながらこの後の行動も決める。ここでも自分が主張した結果、平尾台と千仏鍾乳洞に行くことになった。今回は後から参加を決めたということでNがかなり譲ってくれたという印象がある。

 モノレールの下を抜けて一路平尾台へ。途中怪しい運転が一度あって肝を冷やした。馬鹿みたいに急傾斜の道を抜けるとカルストらしい風景が広がっており、なかなか壮観だ。が、ここはとりあえずスルーして鍾乳洞へ。千仏鍾乳洞は水没している鍾乳洞で、地元の人間が度胸試し的な感じでよく来るらしい。入洞料確か800円をどこからか出てきた管理人のおばちゃんに払い、貸しクロックスに履き替える。洞内は結構整備されているのだが、有名なところと比べれば全然で鍾乳石も触り放題だ。水は冷たく、最大で膝上くらいまで浸かることになる。自分は沢で慣れているので特に気にならないが、二人は結構冷たそうにしていた。15分くらい進んだところが一応の終点で、もう少し進んでみたがそれ以上は天井が低く進めなかった。客は自分たち以外に数人程度だったが、これ以上来るとすれ違いができなくなるのでこれで十分なのだろう。水没というアトラクション性や整備の進んでいないところなどB級感があり、個人的にはかなりお勧めしたい場所だ。でかい鍾乳洞はどこも歩くだけのくせにやたら高いので、こういうマイナーなところを攻めるのが良いかもしれない。

f:id:snwchkrn:20200616230336j:plain

 

 洞窟を出て、平尾台の展望台に戻る。広々としてよい。カルスト地形の場所に来るのは結構久しぶりな気がする。バイクに乗った人が景色の良い300mくらいの道を延々と往復しておりなんとも牧歌的だ。他にも鍾乳洞がいくつかあるようだが、どんな感じなのだろう。

f:id:snwchkrn:20200616230957j:plain

 

 あまり時間もないので、ここからは一直線に宿へ向かう。途中円座屋という元RICのコンビニで休憩した。かつてRICだった跡はどこにも見られなかったが、品ぞろえも重質しており頑張っている印象である。17時ちょうどくらいに宿に到着した。

f:id:snwchkrn:20200616231746j:plain

 

 宿は古めかしい感じで、いかにもツアー客を大量に受け入れていそうな感じ。とは言え、コロナの影響で中国人がいないからか客はまばらだった。食事はやけに品数が多かったがあまり手の込んでいない品が多かった印象。品数を多くして豪華なプランに見せる策略なのだろうか。なぜか刺身が2品あった。客室は普通の和室だったが、そういえば長らくこういう部屋には泊まっていなかった気がする。温泉は古かったが無駄に広かった上にほぼ無人だったので高評価。貸切風呂もあったが、大浴場が無人なので使う意味がない。

f:id:snwchkrn:20200616232343j:plain

 

 食事後に散歩に出る。目的はふたつあり、ひとつはミツウロコグローサリーというコンビニに行くこと、もうひとつは別府市内で午後9時に流れるという噂のある防災行政無線の時報を聞くことだ。散歩気分だったが、コンビニまで片道40分くらいあった上にあまり道も面白くなかったので車で来ればよかったと後悔。結局時報も聞けなかった。どうも時報は海沿いの一部だけという可能性が高い。宿の近くには100円で入れる公衆浴場がたくさんあり、時間があれば連泊してこういうところを巡りたいものだ。

f:id:snwchkrn:20200616233248j:plain

 

○3/6

 朝起きてとりあえず風呂へ。なぜか風呂は2か所あり、もう片方は屋上にあった。景色はそこそこなのだが残念ながら景色は山側だった。朝食は思ったほど品数が多くなくて残念だったが果物が食えたのでよし。

 まずはNを別府駅まで送る。まだやらなければならないことが残っているということだったが、そんな中でわずかな日程を拾って来てくれたのは非常にありがたい。ここからは二人旅、予定は何も決まっていない。

 なんとなく北九州をぐるっと回ろうという計画だったので、なんとなく熊本に向かって車を進める。道中、大分市内にもMGがあったので寄り、そこからは一気に阿蘇へ。途中に寄った道の駅でキャベツソフトとそばソフトがあったので二人で一個ずつ買った。自分はキャベツにしたが、水っぽさと青臭さとミルクの甘みが混然一体となっており、なかなかクオリティーは高かった(おいしいとは言っていない)。そばも一口貰ったが、こちらはおいしかった。

f:id:snwchkrn:20200628023741j:plain

 東から阿蘇に入るのは初めてだったが、緩やかな外輪山を超えてカルデラ壁を一気に下っていく感じがとても良い。阿蘇神社にて12時の時報である「阿蘇物語」を聞く。研究で何回も来た阿蘇だが、時報を聞いたのは初めてだ。阿蘇神社はまだ復旧中で、社殿には入れない。端の方からちょっと眺めて撤収した。

 昼は神社向かいにある味千ラーメンの系列店と思われる尺間ラーメンに行こうと思っていたのだが開いていなかったのでそのまま進み、おべんとうのヒライでちくわにてポテサラが入ったアレと半額のジャージー牛乳を買って車内で食べて、草千里経由で南郷谷に出た。

 今回の旅行で行きたかったコンビニはMG以外にもう一つある。それがRICだ。RICは現在ファミマに吸収されているのだが、一部店舗が個人経営として残っている。昨日訪れた円座屋もかつてはRICだった。店舗自体はどうもそこそこあるようだが、地図で調べて出てくる量はあまり多くない。調べた中で一店、山都町に確認されたのでそこに向かうことにする。場所は通潤橋のすぐそばだ。道中では今度こそ開いている味千ラーメンを見つけたので、遅めの昼食とした。

f:id:snwchkrn:20200628165453j:plain

 

 ついでに立ち寄った通潤橋は残念ながらこの日は通水しておらず、ただの遠くに見える橋だった。確かに立派だが、遠くから見るだけでは大したことがないのでさっさと撤収してRICに向かった。

 現存するRICは今どこが運営しているのか気になるところだが、いまいちよく分からない。実はココストアリテールのサイトにricのページへのリンクが存在するのだが、404で見ることはできない。なので、ココストアリテールがブランドとして完全に手放したのなら個人経営、そうじゃないならココストアリテールだと思われる。今回立ち寄った店ではそれ以上詳しい情報は得られなかったが、ricのアイスケースがあったのは収穫。

f:id:snwchkrn:20200710225644j:plain

f:id:snwchkrn:20200710225823j:plain

 

 この後甲佐でもう一軒別のRICに寄る。ここは明らかに酒屋転換系というか事実上の酒屋という感じ。謎の萌えキャラを起用した酒を売っていた。この店で甲佐名物らしい飴を買った。何か2種類くらいあり、この季節限定らしい五郎飴というのにした。よくある昔の飴という感じで、水飴を練って固めたものの中に黒糖が入っている。素朴な味で結構好みだった。ちなみにPは袋のかき氷を買っていた。

 この後大津でイオン大津店が入居しているアークというショッピングセンターに入ったのだが、ここはなかなか面白かった。いつものように元が何だったか推測するためうろうろしていたのだが、ここでなぜかヤマザワみたいなマークを発見。いろいろ可能性を考えてみたが全く思い浮かばずネットで調べたところ、どうも皆理解に苦しんでるというか、そもそも特に関係はないようだ。

 もう日も暮れて結構市内への道がが混み始めてきたころ、続けて熊本市内に入ってイオン熊本中央店へ。わざわざ車で行くような場所でもないのだが、建て替えが決まっているということで急いで訪問したという次第だ。この店は吹き抜けがかなりかっこいいのとシースルーエレベーターが良い。ダイエー矢印が見られ、アシーネも入っていたので特定は容易。

 この日の宿はどの時間帯に取ったのかは忘れたが、山鹿温泉にしたのでここからは北上。途中トライアルで買い出しして、ウエストで晩飯にした。宿は素泊まりだが、離れにある一室で部屋の風呂が温泉流しっぱなしになっているなかなか良いところであった。2000円ちょっと。なお温泉が出っぱなしなので少しうるさい。

 

○3/7

 自分の主張で山鹿温泉の共同浴場であるさくら湯に朝風呂に行った。詳しくは忘れたが、もともと何かの建物だったらしく、立派で天井が高い。一般に温泉の天井は高ければ高いほど良い。お湯もぬるめでかなり満足度は高かった。

 朝食のためにトライアルで買っておいた半額で100円のカレーをレンジで温めたところ、容器が融けた。レンジで温めろって書いていたのに何故。なお味は100円と思えないクオリティだった。すっかり忘れていたおきゅうともここで食べた。ただし井筒屋謹製だろうが正直味は微妙。

f:id:snwchkrn:20200711010616j:plain

 

 雲行きが少し怪しい。この日は佐賀、長崎へ向かうことにしている。目的地として唯一決めていたのが伊万里のポーセリンパークだったので、例によって移動しながら寄る場所は考えることにする。道中、大牟田あたりの3号線沿いでGooglemapには載っていないRICを見つけたので急遽ここにも立ち寄った。

 気付けば佐賀に入り、最初に訪問した


のはイオン江北店。スーパーセンターを思わせる平屋の簡素な造りだ。ここは現在ザ・ビッグが核テナントとして面積の半分くらいを占めているのだが、その名残だろうか。大店法プレートには九州ジャスコと書いており、推定は容易。

 12時ごろ武雄におり、時報を聞こうと図書館と役所に行ってみたのだが、いずれも不発で真下で聞くのは失敗した。10分くらい探して全く見当たらなかったのだが、どこにあったのだろう?その後昼食は迷ったが、佐賀ラーメン喰道楽というところにした。全くラーメン屋らしくない看板が出ているが、中身はコッテコテのラーメン屋。

 午後はポーセリンパークへ。コロナの影響で中国人が少なく、人が全くいない感じを楽しめそうだと思ったからだ。現在、こういう整備不良なバブルの遺産系は中国のバスツアーで維持しがちである。行ってみるとやはり土産物屋は中国語だらけなのに人はほとんどいなくて楽しかった。もちろん全体的なバブルの遺産感も○。

f:id:snwchkrn:20200713231239j:plain

 

 雨が本降りになってきた。佐賀を抜けて長崎に入る。大学入学以来6年間でまだ踏んでいなかった残り2県のうちの片割れだ。人生単位で言えば小6の時に訪問したことがある(大雨だった)。長崎は南北に長く、今回は真ん中から侵入したのでここでどちらに行くか決めなければならない。ここで候補に挙がっていたのが長崎の浜屋佐世保の玉屋にある屋上遊園地だったのだが、結局佐世保の玉屋ということにして針路を北に取る。

 玉屋は中心街にあるので駐車場もない。かなり雨が降っていたが、仕方ないので近くのコインパーキングに駐車して濡れながら歩いた。玉屋は大きなアーケードの中にあり、なかなか立派。山形屋と言い鶴屋と言い、九州の中心街にある独立系の百貨店はどこも風格がある。ここは4階の催事場と5階の間が吹き抜けになっており、なかなか良い。屋上遊園地はこの規模のところには初めて来たが、非常に良い。流石にボロさは否定できないが、何とも言い難い楽しさがある。調子に乗っていろいろ見物していたら管理員の人に注意された。その後食品売り場にクールソフトなる初見の乳酸菌飲料があったので購入。

f:id:snwchkrn:20200714001439j:plain

 

 Pがたびら平戸口に行ってみたいということだったので、さらに西に進む。ここまで行けば近くにRICマートというRICと何が違うのか分からない謎の店があるので、ついでにそこにも向かうことにする。

 たびら平戸口は本土最西端の駅。東根室稚内は訪問済みなので、あとは西大山だけだ。とは言え、次は電車で来たい。その後近くで時報を聞いた。

f:id:snwchkrn:20200715014341j:plain

 その後橋を渡ってRICマートへ。これまでのRICと比較すれば分かるが、看板の配色から違う。普通のRICは赤と青だが、RICマートは赤と緑だ。実は前日に阿蘇で閉業していたRIC風の建物を見たのだが、これと同じ配色だ。ひょっとすると、ここも元RICマートだったのかもしれない。この店は買い物カゴにもRICマートの文字があった。これは今回訪問した全てのRICのなかでここだけだ。ひょっとすると独自でこの店が作ったのだろうか。もうひとつ面白いことがあり、店内弁当のラベルになんとココストアリテールの文字が見えた。RICとココストアの関連については先述の通りだが、少なくともRICマートについては今も傘下にあるようだ(普通のRICはやはり不明)。

f:id:snwchkrn:20200715014442j:plain

f:id:snwchkrn:20200715014523j:plain

 せっかく平戸島まで来たが、ここでもう日没なので、戻ることにする。今度はもう少し時間を取ってもっと西に行きたいものだ。最後に、この日の入浴場所として、平内海中ホテルに行くことにする。ここは水族館大浴場という意味不明な温泉があるということで地図に保存していた場所だ。日帰り入浴は確か800円で、水族館大浴場に加えて展望露天風呂にも入ることができる。展望露天風呂は貸切で非常に良い。また、水族館大浴場はタイやらアジやらの近海魚がいろいろと泳いでいた。やや魚臭いのだが、この臭いが圧倒的な珍スポット感を出していて良い。ところで、ここで泳いでいる魚はひょっとしてその後料理に出されるのだろうか…。また、ここのゲームコーナーにはVRゲームが2台設置されており、Pが遊んでいた。VRゲームの設置場所はまだ全国にもそれほど多くなく、(今あるようなものは)おそらくこれから流行る見込みもあまりないので現時点では結構貴重だ。ということで、平内海中ホテルはかなりお勧め。

f:id:snwchkrn:20200715014738j:plain

f:id:snwchkrn:20200715014814j:plain

 

 夕食は佐世保を超えて大塔まで行き、牛右衛門というチェーン店へ。名前通りハンバーグが名物の店だが、中華やら洋食屋やらメニューはとても多く、かなり迷った。結局、ハンバーグとパイ生地の中にシチューが入ったアレにした。炭水化物は付けなかったが、これはこの後の動きを想定したもの。

f:id:snwchkrn:20200715014859j:plain

 

 その後、すぐ近くにあるトマトクラブというネカフェへ。このトマトクラブ、フリーダムという九州ローカルネカフェのホームページに載っている上に料金体系やらも全く一緒なのだが、なぜか名前も違うしメンバーカードが統一されていない。よくわからん。ここの特徴は何といっても100円でカレー食べ放題で、夕食で炭水化物を摂らなかったのもこれに備えてのものである。結局、朝も入れて3杯食べた。少量ながら肉も入っているし、クオリティは結構高い(あとそこそこ辛い)。また、この店は異様にドリンク関連も充実しており、アイスとフローズンが両方使える上に炭酸飲料がなぜかマウンテンデューやら7upまであるなど業界でも群を抜いた充実度。全体的に内装は快活という感じで広さもそこそこなので、現時点で優良ネカフェランキングトップに躍り出ている。下手な宿より良い。

f:id:snwchkrn:20200715212417j:plain

○3/8

 この日でPとはお別れだ。朝からカレーで腹いっぱいになりながら出発。

 この日の行程は昨日のうちに決めており、早速この日の観光の目玉である西肥シルバーボウルに向かう。ここは駄菓子屋ゲームの聖地ともいえる場所だ。場所は大塔からすぐ近く、開店からそれほどもたたないうちに到着した。が、ゲームコーナーの開店は10時半かそこららしく、まだ1時間半くらいある。仕方ないのでボウリングを1ゲームだけした。1ゲーム100円だったが、貸し靴のことも考えたらもう1ゲームくらいやるべきだったか。ボウリングは10年ぶりとかだったため、無事惨敗した(スコア86)。この後暇だったので最寄り駅まで散歩したところ、或る列車がちょうど車庫から入線してきた。この後一旦佐世保まで回送だろうか。

f:id:snwchkrn:20200715213853j:plain

 

 まだ時間があったので、順序を入れ替えて大塔まで戻ってイオン大東ショッピングセンターに行く。ここはなかなか外観がかっこいい。駅からも近いし非常に便利な立地だ。内装はいかにもジャスコという感じで、ジャスコのカートやジャスコの上にイオンのシールを貼った跡もあり特定は容易。

f:id:snwchkrn:20200715215825j:plain

 

 いい時間になったので、再び引き返してシルバーボウルへ。ちゃんとゲームコーナーは開いていた。ラインナップはかなり充実しており、見たことのない機種もかなり多い。ここで150円くらい使って10円ゲームを楽しんだ。元値が安いので、150円でも結構遊べる。Pは流石に慣れており、ちょくちょくクリアしていた。コロナが落ち着いたら地元の駄菓子屋で精進したい。

f:id:snwchkrn:20200715214515j:plain

 

 ひととおり遊んで、またまた大塔へ戻る。目的地はジャスコの向かいにあるエレナというスーパーだ。長崎県内に多くの店舗を抱えており、長崎を代表するローカルスーパーである。店内ソングである「ゾウが飛んでいた」は名曲なので一度聞いてみよう(公式HPで聞ける)。さて、ここに来た目的は勿論スーパー巡りもだが、もう一つは昼飯である。ここにテナントを構えているビッグマンという佐世保バーガーチェーンが最後の昼餐だ。店では何故か艦これコラボをやっていたが、特に艦これ目当ての客は見当たらなかった(ほかの客からすれば我々がそう見えたのかもしれんが)。イートインはなかったので、屋上駐車場のベンチで食べた。

f:id:snwchkrn:20200715215642j:plain

f:id:snwchkrn:20200715215731j:plain

 

 これでやることは全て終わり、長崎空港へ向かう。道中、コンビニに車を停めて正午の時報を近くにあった無線機まで聞きに行った。すると近くに無窮洞とかいう洞窟があったので、せっかくなので見ていく。ここは戦時中の防空壕で、学生が掘ったものらしい。中は結構広々としていた。

 この後は大村までまっすぐ進み、橋を渡って空港へ。風が強かった。ここでPを下ろし、ここからは単独行動になる。が、翌朝に福岡空港に車を返す以外何も決めていなかった。しばらく車で地図を眺めた結果、雲仙→小浜温泉諫早湾の堤防道路と回ることに決定し、車を進める。

 一旦諫早まで出て、雲仙の北面に向かう。適当なところで海沿いに出てみようと国道を外れてみたところ、ちょうど島原鉄道古部駅に出た。ちょうど次の列車が5分後だったので、少し近くを散歩して待つことに。列車からは地元民の乗り降り以外にも、観光客も数人降りてきた。何か観光地があったのか、それとも景色が良かったから降りたのか。

f:id:snwchkrn:20200715223733j:plain

海の向こうに太良の山塊が見える

 

 適当な県道から雲仙を登り始める。結構アップダウンが多く、景色が良いのでドライブにはちょうど良い。結局山上がどこなのか把握することもなく南面に入ってしまった。これはいかんと適当にあった公園に寄ってみたところ、広い敷地に動物の像がまばらに配置されたやけにB級感の強い場所だった。結局、よくわからんままに小浜温泉へ。

f:id:snwchkrn:20200715225339j:plain

ソーシャルディスタンスの先駆け。

 小浜温泉共同浴場がやたらレトロだということで、前からリストアップしていた場所だ。共同浴場以外のイメージがあまりなかったのだが、結構大きな温泉地だ。さっそく共同浴場に向かうが、駐車場が狭い坂の上かつ横の車の止め方が雑なせいで史上最難の駐車を強いられることになった。今思えばなんで無理して停めようとしたのかもわからないし、なぜ両隣に全くぶつけることなく停めることができたのかもわからない。実はぶつけていたけど気付いていなかっただけなんじゃないかと今も思っている。とにかく、10分以上の格闘の末駐車に成功し、無事温泉に入ることができた。共同浴場はやはり古く、漢字で書かれた木造のロッカーやコンクリ打ちっぱなしの浴槽が非常に良い。内装の写真が撮れなかったのが残念だ。

f:id:snwchkrn:20200715232100j:plain

 

 どうせなら堤防道路で夕陽を見ようと思い、時間がまだありそうなので遠回りして海沿いを諫早に向かうことにする。国道から外れてすぐの富津というところでちょうど5時になったので、路肩に車を停めて時報を聞く。残念ながら無線機自体は下の漁港にあったためあまりきれいに録音はできなかったが、非常に眺めも良く雰囲気があった。時報には場所の雰囲気も重要だ。

f:id:snwchkrn:20200715233053j:plain

 

 もう少し進んだところに謎の記念碑があり、降りてみるとどうも昔駅があったらしい。小浜鉄道という軽便鉄道が千々石まで続き、そこからさらに雲仙鉄道というのが今の島原鉄道の愛野まで伸びていたようだ。で、この県道はその廃線後に道路を敷いたものだ。そんな鉄道は聞いたこともなかったが、やはり戦前は思わぬところに路線があったということだ。

 千々石というのは天正使節団のあの千々石だろうか。実際に地名として存在しているのは知らなかった。非常にのどかな場所だ。特に見るものはないので一瞬スーパーに寄った以外は素通り。

 車を走らせて18時前に堤防道路の途中にある駐車スペースに到着した。日の入り30分前でちょうど良いタイミングだ。堤防そのものの是非は置いておいて、海の中を突っ切る道路がまっすぐ伸びる奥にそれぞれ太良と雲仙の山々が見えて非常に景色は良い。風が強く少々寒かったが、日が暮れるまでのんびり過ごした。今回の旅行で一番きれいな夕日だった。

f:id:snwchkrn:20200715234742j:plain

f:id:snwchkrn:20200715234825j:plain

 

 日が暮れると基本的にもうすることはないのだが、最後のあがきとして祐徳稲荷神社に寄った。何も調べずに行ったのでひょっとすると真っ暗で何も見えず終了かと思ったが、幸いライトアップされていた。ライトを付けずに奥の院まで登ったところ、奥の院にいた地元の人間と思しき若者グループに幽霊でも見るかのような目で見られた。

f:id:snwchkrn:20200715235211j:plain

 

 閉店間際のゆめタウン佐賀で蛍の光を聞いた後、夕食は佐賀県内に入って吉野ヶ里の新中華へ。刀削麺を食べたが大変うまかった。吉野ケ里遺跡も夜間見物できないかと画策していたが、残念ながら封鎖されて中には入れず。実は小6の時に行ったことがあるのに知らなかったのだが、入場料が必要らしい。一周して遠目に見えないか探ってみたが、これも空振り。お前は銀閣か。

 その後福岡まで進み、うきはの道の駅で車中泊することにした。この日は晴天日らしい強烈な放射冷却で非常に寒かった。耐えられないので上着を着ようとしたところ、どこを探しても見当たらない。小浜温泉まで着ていた記憶はあるので、おそらく温泉か新中華のどちらかだろう。とりあえず新中華がまだ開いていそうだったので電話したが、店長の「日本語分からねえわ」で切られてしまった。どうしようもないので寝る。とは言っても寒くてろくに寝られなかったが。

 

○3/8

 6時に起きた。車は8時に返すことになっている。わざわざうきはまで来たのには理由があって、4回生の時に豪雨の被災地を見に来たのでそこが今どうなっているのか気になっていたのだ。それから朝7時の時報を聞きたいというのもある。被災地は崩壊斜面の護岸もできていて、ある程度は復旧できているという印象だ。現在は廃校になった松末小学校に設置されている無線機で7時の時報を聞く。何かよくわからない環境音だった。

 ここから空港まで給油を含めて1時間で戻らないといけないわけだが、Googlemapを見たところ、所要時間1時間であることが判明した。大慌てで空港に向かう。多少飛ばしたところで通勤時間帯で渋滞していてなかなか進まない中、8時ちょうどになんとかレンタカー屋に戻った。厳密に言えば時間オーバーだが、どうせコロナの影響で車を借りる人もほとんどいないのだろう、お咎めなしだった。結局給油2回でガソリン代は1万もしなかったはず。ハイブリッドはやはり強い。最初にトリップメーターを0にし忘れていたのが悔やまれる。

 

 前半はここまで。後半は博多駅に向かうところから。商業施設レビューは後半の後に全部まとめた別記事にすることにする。