○夏緑(きたかみ×メク10)
8/7に弘前の青果店で購入した。1個40円。文字通りの極早生品種で，8月になると食べられるようになる。が，一方名前の割にそこまで緑でもなく，果皮には薄い紅色が縞状に入り，やや汚らしい。農水省の品種登録写真を見てみると，熟すともっと赤くなるようである。普通貯蔵で2週間ほど日保ちするらしく，この時期にしては非常に優秀な品種だろう。見た目からしてすっぱそうであまり期待はしていなかったのだが，食べてみると思ったより甘みがあった。酸味は普通で，果肉は少しやわらかめだった。この時期の品種としては今まで食べた中で最高評価。大きさが小さめなので買ってその場で食べるのには良い。8月はじめにこのクオリティの新物が食べられるというのは素直に羨ましい。汚らしい色とは書いたが店に並んでいたのはどれもそんなに赤色も入らない爽やかな緑なので季節感があり，8月初旬に青森に旅行に行かれる人にはおすすめしたい品種だろう。
○しおりの詩(北の幸×ジャージーマック)
おなじみの浪岡アップルヒルにて8/7に購入。たしか2個で250円くらいだったと思うが正確には覚えていない。登録品種名は「あおり12」となっている。果皮にろう質が割と出る品種とのことだが，買ったものにはあまり出ていなかった。果皮の色付きもあまりよくないのでやや未熟だったのだろうか。味に関してはあまり感想がないのだが，微妙に渋みがあった。食感もやわらかめで全体的にあまり好みではなかった。とは言え未熟である可能性がある以上そこは確かめる必要がある。ちなみに親品種の北の幸は16年に食べたがこちらもあまり好みではなかった。
○はやてつがる
8/9に藤崎町のJAかなにかの直売所で購入した。見た目といい味といいつがるそっくりでこれまた言うことがない。しかしこの時期につがるのクオリティが出せるなら大したもんである。別にわざわざ先取りしなくても…とは思うがやはり優秀な品種なのは間違いがない。ちなみに写真の基準水準点というのはまだ言及したことがなかったと思うがかなりレアな水準点である。いずれ詳しく書くかもしれない。
○印度
8/6に秋田のスーパーで購入。晩生の品種なので昨年から貯蔵されていたものだろう。非常に古くからある有名な品種だが，関西で見かけたことはなくまだ食べたことがなかった。出自についても謎が多い品種で掛け合わせもよくわかっていないようだ。甘い，硬い，貯蔵性が良いという明治期には特異な品種だったため，いろいろと掛け合わされて陸奥や王林など様々な品種の親となっている。食べてみると事前情報の通りやたら甘く酸味のまったくないきめ細かな食感でその割に汁気がほとんど無く，やはり特異な品種だということが分かる。陸奥は形としても味としても印度の性質をよく受け継いでいると思う。個人的には重厚感のある触感が案外好みだった。
○シナノレッド(つがる×ビスタベラ)らしきもの
9/1に高山陣屋の朝市で購入した。品名の所には単にシナノと書かれていたので買ったが、調べてみるとそんな品種は存在しないのでおそらく時期的にシナノレッドであろう。8月に収穫される早生の品種である。写真は全く着色していないが、名前通り最終的にはちゃんと赤くなるらしい。酸味が強めだったが疲れていたタイミングだったので逆に良かった。1週間程度置いていたがボケることもなく、特徴もあってなかなか優れた品種ではなかろうか。
○ひろの香り(やたかの着色枝変わり)
10/26に岡山県久世の農産物直売所で購入。蒜山の農家で収穫されたものらしい。2個で350円と少々お高めだが，大産地でもないのでそれは仕方ないか。そもそも岡山でりんごが栽培されていること自体初耳だった。ひろの香りという品種も聞いたことがなかったが，あいかの香りを育成した農園とおなじところで育成されたようである。やたかの枝変わりとのことだが，やたかもふじの枝変わりなのでなかなか複雑である。味は甘みも酸味も濃く非常に優秀。食感はやや硬めで香りも結構ある。これまで食べた全体でもかなり上位に来る品種である。他の早生ふじと比較すると果肉の色が黄色みが強いのが最大の特徴だろうか。今後見かけたら積極的に買っていきたい品種。
