焚き付け

主に日記を書く

空色のワンピース 続き

 1ヶ月分まとめて書くつもりが御在所で思ったより長くなってしまったので,続きとして後半をまとめる。御在所に行ったのがちょうど月の変わり頃だったので,主に9月以降の話になる。

  さて,9月前半はラボの観測所にいたというのは前の記事で書いたとおりである。いろいろな出来事がかぶったため,およそ10日くらい滞在した。普段ならせいぜい数日なので,今回はこれまでにないほど長い滞在ということになる。

 観測所は北アルプスの麓にあって,京都から行くだけで半日かかるような場所である。いわゆる高原リゾートで,周りは結構白人がうろうろしていたりする。最寄りのスーパーまで車で10分ちょっと,最寄りの自販機でも歩いて10分かかるようなそんな場所だ。ちなみに最寄りのスーパーは賞味期限切れの商品をご自由にお持ちくださいコーナーに置いているなどかなりロックである。まあこのあたりは田舎ゆえのおおらかさだろう。当然近くに食堂などはなく,食事はすべて自炊になる。そして極めつけはなんとご時世で電波圏外である。一応wifiはあるが,寝室などでは通じない。とまあそんな感じで非常によいところなのだ。

 滞在中の前半はここで集中講義があった。まあ講義と言ってもほぼ研究室の内輪行事みたいなもので、適度に授業めいたことをやって終了した。一方後半は割と大きめのイベントがあり、それなりの人口が襲来する中で雑用をしていた。ホスト側なので仕方なく学生の取りまとめをすることになり、人生でこれまで持ったことがない大金を動かしたので心労が大きいイベントであった。そのかわりバーベキューのついでにいろいろな物を燃やしまくってメンタルを回復したので結果どっこいどっこいというところ。結局特に問題もなく終了した。今回取りまとめをやらされて得た結論はただ一つで、やはり出世したくないということである。

 

○縦走

 前半と後半の間で休みが挟まったので、縦走に行ってきた。西穂から奥穂に抜けるルートである。当初は沢に行く予定で準備してきていたのだが、あまりにも天気予報が良さそう、時間がかかる場所から先に行った方が良い、、たまにはミーハー登山で承認欲求を満たすのもよかろうということで予定を一転させて縦走にした。西穂から奥穂といえば、岳人憧れらしいジャンダルムを通ることで有名な、国内の一般縦走路では最難クラスのルートである。普段沢の写真なんかをtwitterに上げてもあんまり反応が無くて寂しいので、たまには沢ヤの実力を見せて縦走もできるんだぞとアピールしてやろうというわけだ。

 本当は焼岳から行きたかったところだが、日程の都合上諦めて新穂高ロープウェーでショートカットすることにした。入山が遅かったので小屋の管理人にぼこぼこにされるという恐怖心から急いで歩いたが、全く怒られなかった上に後から後から無限に人が来て拍子抜けした。縦走なんもわからん。夜は満点の空の下でガルラジ双葉を聞いたが、ちょうどオープニングトークの所で流れ星が流れて最高であった。ところが20分ぐらいのところで低温からスマホが逝ったのでテンションがガタ落ちした。ついでに持ってきていたモバイルバッテリーも充電切れだったことが発覚してさらに落ち込む。このままじゃ明日の起床すら危ういところだったが、寒すぎてろくに眠れなかったおかげでなんとかなった。

 暇で仕方ないので午前3時過ぎに出発した。西穂までは楽勝だと思っての判断だったが、道が分かりにくく意外と苦労した。道が分からんなーと思って適当に尾根に出ると大体めんどくさいことになる。この稜線で藪漕ぎした人間はそうそういるまい。あまりにロスが多いので結局途中で明け待ちした。西穂はなかなかいいところで、確かにここまで往復するだけでもなかなか良いと思った。

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 西穂から先が難ルートとされる場所で、確かに難しくはないが簡単でもないという感じ。無心で歩くことはできない。まあ岩場に不慣れな人が悪天候の時に行ったらそりゃ死ぬやろなあという感じはする。結構速いペースで歩いていたのだが単独の人がずっと後ろに付いていて怖かった。個人で山をやっているらしいがなかなか強者であった。読み通り天気は最高で暑すぎるくらいだったが、唯一不満だったのが他の登山客の多さだ。いくらハイシーズンの土日だからって簡単なルートでもないしそんなに人は多くないと踏んでいたのだが、全くそんなことはなかった。まあ難しいとはいっても有名だから仕方ないか。これだから縦走は…。

 ジャンダルムは非常に良い場所であった。あんな形なので当然といえば当然なのだが展望が最高である。山頂は天使をあしらったプレートがあることで知られており、実は行く前からトライナリーのアクキーを持って来なかったことをやや後悔していたのだが、実際に見てやっぱり後悔した。(もっともトライナリーと天使という組み合わせは作中での天使の意味も相まってやや悪趣味な感もあるが…。)次に行く時は確実に持っていきたい。多分もう行くことはないが…。代わりに(?)りんごを持ってきていたので写真に収める。これについては東北の際に食べたものも併せて別記事で触れる。その後は奥穂周辺の異常な人の多さと無駄に長い下山にやられて記憶がない。教訓としていくらなんでもコースタイム16時間を1日で歩こうとするのは良くないことが分かった。写真をたくさん載せる。

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今にも崩れそうで怖い

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天使。

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天使。

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大展望

 

 

○ワンダーグラビティ~ピノと重力使い~

 終末ソシャゲ。セガが運営しており8月30日にサービス終了した。サービス開始から5か月とかなり短命である。ジャンルとしてはRPGで、戦闘→ストーリーの繰り返しである。ソロ以外の要素としては、ギルドバトル的なものもあった。

 ちょうど8月末はトライナリーのサ終から1年ということでなにか終末ソシャゲをやろうとは前から決めており、その中で白羽の矢が立ったのがこの作品である。

 ストーリーを簡単に説明する。物語の世界は浮島がたくさんあるような世界で、主人公の父親は世界の底「エンドロール」を求める冒険者であった。ある主人公の父がエンドロールに到達したという知らせが世界を駆け巡るが、すぐに国連的な機関(世界機関)によりその情報は否定され、主人公の父は手配されることになる。しばらくたったのち主人公の下に、父からの手紙が届く。そこにはエンドロールに証拠を残してきたという言葉と共に、航路のログが添えられていた。それを信じる主人公は父の汚名を雪ぐために旅立つ…。という感じ。副題のピノと重力使いというものについては、この世界にはピノと呼ばれる存在がおり、それと契約することで人間は重力を操れるという設定になっている。物語は主人公がひょんなことからピノと契約するところから始まり、自前の飛行機を持ちまだ見ぬ航路を探し求めるヒロインと出会い、世界機関の陰謀なども絡みながら主人公はエンドロールを目指す、という感じ。

 

 絵の雰囲気やストーリーの雰囲気を見る限り、どうも小学校高学年くらいを対象としていたのではないかと思う。確かに競合は少なそうだがなかなか狙いにくいターゲット層である。小学生でオリジナルの作品までチェックする人はそれほど多くないであろうから、なかなか厳しい戦いだっただろう。収益率も低そうだし。逆にこれがもし中学以上向けに作ってあるのなら、ストーリーが舐めすぎである。大枠は前に書いた通りで悪くないのだが、問題は個々のエピソードにある。毎エピソードだいたい展開が一緒で、主人公より強い敵が出てきては覚醒して最後に勝つ展開が繰り返されている。いつまでたってもザコ相手に苦戦しているし、毎回毎回勝ち目がないのに無謀に突っ込んでいくところはいつまで経っても改善されない。流石に、ねえ…。ちなみに結末も数ある謎のうちただ一つだけが解決してそれ以外は闇のままだしなんなら最後の方はヒロインが完全に空気になる(ほぼストーリーから退場する)。まあ早々のサ終である以上不本意な終わり方になるのは仕方ないっちゃ仕方ないんだが…。関係ないが世界の底をエンドロールと名付けたのはウィットが効いていて個人的に評価したい。

 戦闘について。第一印象としては「トライナリー似てる」といったところである。要はパーティーメンバーの中からランダムで数キャラ出てきて組み合わせで攻撃するアレである。主人公が必殺技を持っているなど多少差はあるが、まあ大きなものではない。まあ要はつまらないシステムであり、ある意味「バトルなんてオマケですよ」ということなのかもしれない。まあそれなら納得なのだが、そうなるとやはりストーリーにもっと文句を言いたくなる。

 

 結局この手のストーリー全振りみたいなスタイルは、FGOみたいに元からの知名度が高いコンテンツでないと厳しいのだろう。悲しい話だが、厳しい現実である。これは読み物系に限らず、物語系の作品全体に対して言えることかもしれない。結局「最近流行ったアレ」に触発されて作ったという程度でそう簡単に二匹目のドジョウは捕まらないのである。そして今のところこの手の二匹目のドジョウ狙いで流行した作品はまだない。結局オリジナリティとクオリティの高い作品を作り、そこに適切な宣伝(これはユーザーが重要)が噛みあわない限りオリジナル作品が天下を取るのは厳しいのかもしれない。

 

 ここからは個人的なプレイ日記。この作品を選んだ理由はトライナリーから1年ということで設定の濃そうな作品にしようと思ったからだが、蓋を開けてみるとむしろ中身がトライナリーっぽくてちょっと懐かしい気持ちになった。トライナリーで感じた「終了に間に合わないかも」という焦燥感をもう一度感じたくてサ終4日前に始めたが、目論見通りギリギリに終わることができた。どのくらいギリギリかというと、エンディングでfinの画面が出てタップした瞬間メンテが始まったレベルである。最終日は前日に飲んだせいでサ終2時間前に起床してしまったのだが、もう間に合わないかもという焦燥感はトライナリーで感じたそのものであった。実際、エンディングで重要な設定が空かされるのは分かっていたので絶対に最後までは見たいと思っていたのだ(もっともその結末はがっかりするものだったが)。というわけで、内容はともかく個人的にはやってよかったと思っている。

 最後に、この作品で撮った唯一のスクショを載せておく。これはチュートリアル後のガチャを引くときの写真である。どうしてスクショを撮ったかは今更言うまい。これもまた一年後の奇特な巡り合わせだったのかもしれない。

 

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