焚き付け

主に日記を書く

水晶の砂漠

 元号が変わったのは国道6号線の車内、土浦付近だった。あと数キロ離れていれば最寄りはつくばだった。人生が紙一重であることを感じずにはいられない。我々は各自手持ちのペットボトルのお茶で乾杯し、新たなる時代の幕開けを盛大に祝ったのだった。

 

 

 さて、東北にドライブに行ったところまでは書いたはずだが、連休はあと半分残っている。結果から書くと、後半は部の後輩たちと四国の沢に行ってきた。 

 四国の沢に行くのは初めてである。四国はそれほど知名度のある沢が無い上に行くのに高速に乗らないといけないからである。そんなわけでこれまでいつか行こうと思いながら行かずじまいだったのだが、今回後輩が企画してくれたおかげでそれに乗っからせてもらったというわけだ。結局日帰りの沢に3本行けて、そこそこ満足している。本当はひとつくらい泊まりで行きたかったが、人数も多かったのでまあ仕方なかろう。適当に写真を貼る。いずれもなかなかに良く、しかし近畿の沢を差し置いてわざわざ行くほどではない場所であった。観光も適度にでき、高知では謎の地域コミュニティの同人誌(最終巻)を買った。総じて良い5日間であった。

 

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 研究の用事で岐阜の山奥にある観測所に行ってきた。もう4度目だが、何度行っても遠い。ここで研究については書くことはない。行ってきたついでに観測所で工事をしたのでそのことについてでも書こうと思う。観測所には数十年前に作られたウッドデッキがあるのだが、そいつが経年劣化して一部床が抜けたりするようになっていた。そいつを一部解体したのである。工事開始というところで誰かが床板に乗った瞬間、バキッという音と共に片足が陥没していた。確率は決して高くはないのだが、たまに床が抜けるというのはなかなか怖い。下の骨組みの上を歩けば安全なのだが、作業上ずっとそうするわけにもいかず、もはや祈るしかない。幸いにして僕は一度も床が抜けなかったが。解体するといっても素人集団なので特にノウハウがあるわけでは無く、作業もかなり適当であった。ネジがどうやっても抜けない柵を縄で引いたり上から体重をかけて折ったりとその様子はさながら攻城戦で、結構楽しかった。工作は苦手だが、解体は作る時ほど最終状態が問われないので好きだ。特にこの話にオチはない。

 ところで今回食事が自炊だったので、その辺に沢山生えていたコゴミを料理して食べた。コゴミを採取するのは初めてだったが、結構時期が遅かったので育ち過ぎのものが多く食べごろのものが見つからず、なんか雰囲気が微妙に違うものを摘んでいたのだが、やはり何かおかしいと調べてみるとジュウモンジシダという別の植物だった。別に食べても毒はないようだが、やはりちゃんと調べるのは重要である。その後別の場所を探してみると、比較的簡単に見つけることができた。ちなみにコゴミとジュウモンジシダの見分けは茎が凹の字になっている方がコゴミなので覚えておくと良い。アクもなく日当たりのよい斜面で簡単に見つかるので、山菜入門に最適である。野菜と一緒に炒めて食したが、そこそこおいしい草の味だった。

 実はひとりで山菜採取をしたのはこれが初めてである。当然自分が全ての責任を負わなければならないので、行動は慎重に行う必要がある。誤同定しやすい植物に毒性の高いものはないとは言え、見知らぬ物を食べるというのはさすがに緊張する。別に食べなかったら死ぬような状況ではないので食べる必要は無いといえば無いのだが、やはりここで食わぬようでは人間として良くないと思うのである。一応補足しておくと、これは人類一般ではなく自分が主語である。自分はその辺に生えているきのこを食べるまでは人生について絶対に語らないと決めている。とりあえず今回は第一歩としてこれからも精進していきたいところである(もっとも自分はきのこがあまり好きではないのだが)。

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 それなりに忙しく、それなりに動いた半月であった。しかしその忙しさはやろうと思えば軽減できるはずの忙しさである。それができないのが問題であり、いい加減どうにかしないといけない。とりあえず、研究室では真面目に研究をする必要がある。