焚き付け

主に日記を書く

2年越しの年末旅行記

 千葉とその周辺に行ってきた。目的は沢と船とトライナリー聖地巡りとコミケ

 

 思えば計画の雛形を作ったのはもう2年も前のことになる。房総にも沢登りの対象となる渓流があることを知り、また東京湾フェリーはいつか乗りたいと思っていたので、それらを組み合わせようと考えたのだ。おまけに三浦半島はまだ行ったことがなかった。ついでに2年前は某駄菓子菓子漫画が評判でその聖地が房総南部だったのもあり、もう行くところ全部観光できるという夢のプランであった。が、なんやかんやで計画が流れ2年が経った。するとどうでしょう、いつの間にか三浦半島に観光地が増えていたのである。そう,拡張少女系トライナリー。またお前か。皆さんご存知恋ヶ崎みやびさんの実家がある三戸浜である。もうこのために2年流れたのかとまですら思えてくる。そんなわけで、もともと完璧だった計画がさらにレベルアップして蘇ったのだった。 18きっぷのシーズンは12月10日から翌1月10日。詳細を詰めていたわけではないが、適当に旅程を見積もって3日と考えると、ちょうど27から29まで暇だったので、そこで行くことにした。 …ん?29日? この瞬間登山ザック背負って人生初コミケ参戦も決定した。旅程詰めたい放題だなこいつ。

 沢の装備を回収するために前日に部室に行ったら場末の雰囲気の中麻雀が行われており、問答無用で徹夜することになった。成績は普通だった記憶がある。しょぼい沢なので出来るだけ軽量化して持ち物は沢靴、ハーネス、メット以外は10mの古びたロープとカラビナスリング2セットだけにしたのだが、それでも重い。やはり登攀込みの登山と観光はあまり相性が良くないのか。実はコミケというものがよく分かっておらず,てめえそんなでかい荷物持ち込むなヴォケって言われた時に分離できるように小さいリュックも持っていったのが重かったひとつの原因でもあるのだが。

 麻雀が一段落してそろそろ出発というところでバスの時刻表を見たらあと4分で,いきなり朝飯を食う暇もないまま慌ててバス停に走った。何が悪いのか僕の場合だいたいの旅行は駅までダッシュから始まるのだが,今回の旅行もそうなってしまった。バスが待ってくれたのでギリギリ乗れたが,いきなり銀マットを持ってくるのを忘れたことに気付いて幸先が悪い。説明しよう!!銀マットとは薄いウレタンの表面にアルミを蒸着したペラペラのマットである(ヤマノススメなんかで使ってるような分厚い物もあり,むりそそちらのほうが一般的だが僕は宗教上の理由で認めていない)。しかし,野宿マンにとってこのペラペラのマットはあらゆる装備の中でシュラフに次いで二番目に重要な装備と言って良い。野宿において最大の敵は何か,それは地面からの冷気である。地面からの冷気はシュラフだけでは到底断熱できるものではない。そこで熱を反射する銀マのアルミとウレタンの断熱力が絶大な効果を発揮するというわけである。この二点が揃って初めて地面の上での野宿は可能になると言って良い。軽い荷物で旅行に行くときなんかは銀マは持っていかないが,そういう時は長椅子など地面に直接触れずに済む場所を探すと良い。とにかく銀マは野宿において超重要なのである。そういえばヘッドライトも忘れた。ヘッドライト忘れは登山の先生の皆様に山を舐めるなと怒られるタイプの重大インシデントだが,僕はしょっちゅう忘れる。

 これまた乗り換え時間が短いので,京都駅で急いで18きっぷを買って新快速に乗る。残念ながら混んでおり座れない。しかしこういう時に登山ザックは椅子になるので便利。壁沿いに立てたザックの上に座って寝る。米原。乗り換えたら座れた。寝る。大垣。乗り換える。寝る。豊橋。寝る。浜松。次に起きたら静岡だった。時間がちょうど12時過ぎだったので,昼でも食べようと思って改札を出た。今回は山に行くのもあって,食費を削るつもりはない。駅前のまるしまのおにぎりという店に入る。静岡で昼を食べる時はいつもここである。名前の通りおにぎりが1個100円で,あとはおでんが1串60円で食べられる。昔ながらの民家を食堂にした感じでとても雰囲気が良くおまけに安い,良い店。ぜひみんな行こうな。

 3時くらいに熱海に着いた。椅子が硬い電車に乗り換える。東京。人が多くてやってられん。時間が余っているので例によってコンビニに行くことに。常磐線に乗り換えて新松戸へ。そこから歩いて10分位のところにあるリックス松戸二ツ木店を訪問した。三叉路の角地に立地しておりポイントが高い。アイスのケースにロゴが描かれていた。アイスケースにロゴを入れるコンビニは今までにコミュニティストアや今はなき北海道スパーでも見たことがあるが,あまり見られるものではないのでとても嬉しい。晩飯のおにぎりと,賞味期限間近で半額引きだったぷっちょ温州みかん味を購入した。会計の時,レジのおばちゃんが一瞬で僕が鼻声であることを見抜いてものすごい勢いでマスクを勧めてきのだが,僕はマスクがこの世界で最も嫌いなファッションアイテムなので,やんわりとしかし断固拒否した。しかし立ち去る前になぜかキャラメルをくれたのでこの店の評価は高い。

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ロゴ入りアイスケース

ついでにもう一軒,30分位歩いたところにあるKCSとものにお邪魔した。ちなみにKCSは関東コンビニエンスシステムの略である。以前のガストライブの記事ではTCSを訪問したが,あれは東京コンビニシステムズの略で,両者は別物である。しかしこの店の看板はTCSと書かれている気がする…もう何も分からん。このお店は酒が充実していた。酒屋から転換したコンビニは多く,大手でもオーナー経営の店舗で酒の品揃えが異常に良かったりするのですぐに分かる。

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チャーミーな鳥さんが目印のKCS

 実はもう一箇所コンビニに行ったが開いていなかったので割愛する。21時くらいに最寄り駅の上総湊に着いた。入山地点までここから徒歩2時間である。国道沿いに歩いていくが,国道のくせに交通量が異常に少なく,成田空港に向かう飛行機のほうがよっぽど多い。真っ暗で結構怖いのだが,多分他の人からすればこんな時間に歩いている自分の存在のほうがよっぽど怖い。こういうやつが勝手にお化けと間違われるのであろう。知らんがな。

 11時半くらいに最後の集落を超えたところの道路脇で寝ることにした。当然銀マはないのでツェルトにくるまる。持っていくか悩んだのだが念のため持ってきておいて良かった。こんな形で使われることになるとは想像していなかったが...。当然クソ寒く全く眠れないので,ひたすら目を閉じてじっとしているだけである。1時ごろ,目の前が突然明るくなったので前を見てみたら,軽トラが停まっていて中からおじさんが出てきた。

「こんなところでなにしてんだぁ↑?」

「いや明日山登るんでここで寝てるんすよ」

「こんなところで寝てるからびっくりしたよー,遭難する人多いから気をつけろよー」

 こんな道端で緑の布にくるまった何かがいたらそりゃびっくりするだろう。僕だってもし見たら最初死体遺棄かと思う。むしろこの程度の反応で済んだだけまだマシだったかもしれない。その点では迷惑をかけてしまった。…が,ちょっと冷静に考えたい。そもそも夜中の1時にこの先行き止まりの林道を通る車だっておかしいじゃないか。ていうかおじさん何者なんだ...。

 6時にアラームが鳴る。当然寒くて眠れていないので目覚めでも何でもない。あまりに寒くシュラフから出られない。シュラフに潜ったまま朝飯を食べて15分かけてようやく脱出に成功した。

 千葉の河川といえば川廻しが有名だが、今回行った沢もその例に漏れず川廻しが何箇所かある。川廻しというのはぐねぐね曲がってる川に直線でショートカットするトンネルを掘って、元河床を農地とかにするもので、上総地方ではよく行われていたらしい。流路をショートカットすると流下能力が向上するので洪水防止の効果もある。下が実際の写真だが、なるほど軟らかそうな地盤である。青の洞門だってこれと同じ地盤だったら大した美談になっていなかっただろう。ちなみに一帯の地盤は堆積岩で、これはもともと周辺がかつて海だったことに由来する。おそらく周囲の複雑な谷地形もこの影響があると思われるが、詳しいことは知らん。 沢について詳しい説明は需要がないと思われるので省くが、予想通り大したことがなかった。予想通りなので別に悲しくはない。何が良くないかというと、水量が少ない。この時期水量が多いとそもそも寒くて遡行できないので多いと困るのだが、少なすぎると清潔感がなくてそれはそれで微妙になる。後は随所になかなかイケてる片側ゴルジュが見られるのだが、全部片側だけで両側が一つもないのが残念であった。写真を何点か載せておく。

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川廻し。

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 沢でテンションが上がる地形と言えば、大滝、ゴルジュ、ナメが代表的だと思う。後は奇観とかもあるがこれは場所特有なので省く。大滝は名前通り,ゴルジュってのは簡単に言えば狭くて両岸がぶっ立っているようなところで,ナメは平たい一枚岩の上を水が薄く流れてるような場所のことである。基本的にはこういう地形に出会えることを期待して沢に行くわけで,今回の沢もゴルジュとナメはそれなりのものが見られると思っていたのだが,実際は片側だけのゴルジュに水がほとんど流れないナメと少々残念であった。沢の布教も兼ねて腹いせにかっこいい大滝,ゴルジュとナメの写真を載せておく。

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大滝(近畿・某沢)

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ナメ(東北・某沢)

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ゴルジュ(屋久島・某沢)


 13時くらいに下山した。帰りは駅までバスに乗るつもりだったのだが,次のバスは15時である。本当は焚き火をしてもっと時間を潰す算段だったのだが,ライターがぶっ壊れたのであえなく失敗に終わった。俺は無力…。仕方ないので時間潰しと節約のため歩けるところまで歩く。道中マルフクの看板をたくさん見かけた。説明しよう。マルフクはNTTの電話加入権を担保に金貸しを行っていた業者だったのだが,今どき電話加入権に価値がないことから分かるように,現在はもう廃業している。で,昔は看板がそこら中にあったのだが,住宅の改築なんかで撤去されて現在はかなり数が少なくなっているというのが現状だ。下が看板の写真である。そういえば昔こんなのあったなってなる人も多いのではないだろうか。

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見たことある人も多いのでは?

 16時半。僕は浜金谷駅にいた。冬至からまだ数日,日暮れは早い。なんとか間に合えと海まで走る。なんとか太陽が沈むギリギリで間に合った。山頂からは雲に隠れて見えなかった富士山が見える。なんとも美しい風景だ。夕焼け空には弱い。

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 ここから船で三浦半島に渡る。乗船時間はたったの40分だが,久しぶりの船ということで心が躍る。と思ったが写真を見返してみると3月に宮島フェリーに乗っており,そこまで久しぶりではなかった。もっとも宮島航路なんてたった15分なので,それを除けば最後に乗ったのは17年3月の石垣島-西表島が最後だ。もっともこれも高速船で20分くらいだが。

 乗った便は17時20分発で,乗船する頃にはもう周りは真っ暗だった。寒い中,気合でデッキに陣取る。寒いためかデッキには自分以外誰もいないのをいいことに,寒さを紛らわせるために不審な動きをしていた。が,風があまりに強く吹っ飛ばされそうになったので,20分くらいしたところで諦めて船内に入った。その後席に座った瞬間に値落ちしたので,気付いたらもう久里浜だった。神奈川上陸。

 下船してまず向かったのは,港からすぐの銭湯。結構脱衣所がレトロで良い雰囲気。鏡を見ると,目の下に切り傷ができており,人相が非常に悪くなっていた。どうも沢の下降中に足を滑らせて倒木の山に突っ込んだ時に切っていたらしい。船上で冷えた体が温まるが,お湯があまりに熱くてなかなか厳しいものがあった。後から来た地元住民と思しきおっちゃんも熱いと言っていたので一般的な感覚で見ても熱いのだろう。幸いぬるめの薬湯があったのでそちらに入った。

 山に行った日は中華が食べたくなる。台湾料理ならなお良い。なお,ここで言う「台湾料理」とは,中国人がやっている,台湾ラーメンがある,定食が夜だと100円増し,昼はソフトドリンク1杯無料,などの共通の特徴を備えた名前が違うだけで同じような店のことである。まあバングラデシュ人がやってるインドカレー屋みたいなものと思ってもらって良い。地図で調べてみたら台湾料理屋は徒歩で2時間とかいうとんでもない提示を出されたので,諦めて久里浜駅前の中華料理屋で食べた。定食だったが何を食ったかはまで忘れた。量があって割と満足した記憶がある。

 翌日の昼からコミケに行くことを考えると,三浦にいられる時間はそれほど多くない。ということで,この日のうちに三戸浜まで行って,朝から動けるようにすることにした。久里浜線は日のある時間に乗りたいし,せいぜい徒歩で2時間らしいので歩く。目的が違えば条件も違うので,徒歩2時間がダブスタという批判は受け付けない。とりあえずペリー公園とかいう謎の公園に寄るが,でかいペリーの立像でもあるものと期待して行ったら別にそんなものはなかったのでがっかりした。

 三浦海岸の辺りまでは国道沿いに歩く。ここはたしかデイトラでアーヤがこの辺をツーリングするのが好きって言っていた道のはずだ。とはいえ夜なのであまり道からの景色は楽しめない。海の向こうがそれほど明るくなくて,意外と東京湾大したことねえなってなった。まあ見えている対岸はさっきまでいた千葉南部なんだから当然ではある。

 目的地を黒崎の鼻に設定してグーグルマップ頼りに歩いていると,気付いたら周りは明かりひとつなくなり,見渡す限りのキャベツ畑が広がっていた。あの伝説のクソゲー,ちーちゃんとラブラブゲームの舞台となった「伝説の草原」にしてただのキャベツ畑である。しかし,雲ひとつない空で満月に照らされて白く光るキャベツ畑の様子はとても幻想的で,本当に伝説の草原と呼んでも差し支えないのではないかと思われた。光量の問題で写真に収めることができなかったが,機会があれば是非夜に行ってみてほしい。きっと満足できると思う。

 美しいキャベツ畑を見て気分ルンルンで歩いていたのだが,ここで問題がひとつ発生した。行き止まりに差し掛かって道がなくなったのである。慌ててスマホを開いて場所を確認する。よく確認すると,黒崎の鼻に直接至る道がないためにここが経路の終点となっていたようだ。とりあえず海まで出ないとお話にならないようなので,そのための道を探す。流石に畑の中を横断するわけにはいかないので,最終的に反対側の南にかなり大回りして,なんとか海まで出た。時間はもう11時。

 当然この日も野宿なのだが,今回ははじめから寝る場所の算段があった。みやびが話していた洞窟である。風の強い海岸の野宿において,風が避けられる洞窟は非常に貴重である。海食崖に沿って歩いてみるとそれっぽい場所があったのだが,立ち入っていいのか分からないので控えておいた。仕方ないので海食崖がオーバーハングになっている下で寝た。砂浜の上なのでツェルトが汚れるのだが,もう仕方がない。砂浜の上の野宿は比較的暖かい上に軟らかいから快適なのである。(昨日と比べると)快適に眠ることができた。

 朝。起きると異常に寒い。天気予報アプリで見ると外は0.3℃らしい。氷点下じゃないのでギリギリ耐えだ(何が?)。三戸浜は東向きなのでどうせ日の出は見えないし,あまり早くから動いても仕方ない。まだ真っ暗なのでもう少し寝てからツェルトを撤収。やや明るくなってから黒崎の鼻に向かう。どうせあんな汚い荷物を盗る人間なんかいないので荷物は放置して行った。ほどなくして黒崎の鼻とおぼしき先端部に到着した。看板とかがないのでよく分からんが,景色はきれいだ。駿河湾の向こうに天城山箱根山,富士山,丹沢が並んでいるさまは壮観と言っていい。三戸浜,良いところだ。

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黒崎の鼻

 

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洞窟の中より。


しばらくの間じっとしていた。これは何度も通いたくなる気持ちが分かる。少し向こうに見える漁港では釣り人と思しき人が何人か見られた。軽量化のために釣り竿は置いてきたのだが,ちょっと後悔した。寒くなってきたところで戻ることにする。岩場を歩く感覚が懐かしい。思えばここ3年春になると西表島で海岸の岩場を歩いていたものだが,今年は行けなかった。来年(もう19年なので今年なのだが)は行かねば。世界遺産化する前にもう一度。

 荷物を回収して駅に向かう。帰りはみやびお気に入りの道を通ることにした。海の目の前の家の並びの雰囲気が良い。途中,キャベツ畑で少し寄り道する。よく見てみるとキャベツ畑は一部だけで,実際は大根など何種類かの畑が混ざったものだった。海の向こうに小さく富士山が見える。気持ちの良いところだ。朝の空気も夜と同じくらい良い。こんな事を言うのもアレだが,神奈川なんてクソ都会にこんな良い場所があると思っていなかった。認識を改めねばならない。

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うーん,いいところ

 三崎口の駅から京急久里浜線に乗る。行き先が羽田空港かと思ったら成田空港でビビる。やっぱり東京圏の直通運転って頭おかしいわ。肝心の久里浜線だが,個人的には期待していたほどではなかった。もう少し海が綺麗に見えると思っていたのだが。ただ,常に住宅街との高低差があるのが面白い。

 運賃の都合で県立大学駅で下りて,三笠公園に向かった。途中ともえ堂なる個人経営コンビニを見つけたので,朝食におにぎりを買った。三笠の内部を見れなかったので,三笠公園に関しては特にコメントなし。JAMSTECの船が近くを航行していた。そこから歩いてJRの横須賀駅へ。横須賀中央には寄れなかったが,三戸浜はまた来たいし鎌倉も行ったことがないので今度に回すことにした。ここでで18きっぷを切り,一気に東京へ向かう。途中武蔵小杉を通ったのでYSPS小杉萩原点に寄ることにした。YSPSは数あるヤマザキのコンビニシリーズの一角で,ヤマザキスペシャルパートナーショップの略である。この店は最近リニューアルしたのか店内は新しく,当分は潰れる心配をしなくて良さそうだ。メロンパンとりんごジュースを買った。余談だが,ヤマザキのメロンパン(100円のやつ)は結構クオリティ高いと思う。その後どうやって行ったかもう覚えていないが大崎駅へ。

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YSPS小杉萩原店

 コミケ会場のビッグサイトに行くには大崎からレインボーブリッジを渡るのが一番安上がりだ。それにガストライブの時に営業時間外で渡れなかったこともある。結構渡っている人がいた。最初こそ意気揚々という感じだが,距離が長くて最後の方は飽きた。橋を渡ってからはほとんど一本道だ。しかしここに来て荷物の重さがしんどくなってきたので休み休み歩いた。時々戦利品を抱えた人が反対から歩いてくる。だんだん人が増えてきて,結局ビッグサイトに到着したのは12時半だった。計算したわけではなかったが,ちょうどいい時間だ。

 さて,コミケは初めてである。人に関してはもっと多いことすら予想していたので,まあこんなもんかという感じ。辺りを見て自分より大きな荷物の人間が一人もいないのだが気にしないことにする。誰だ荷物でかいやついっぱいいるとか嘘言った奴。買いたいものはガストショップのトライナリー関連物品だけなので,とりあえず企業ブースに向かうことにする。人波に付いていけばまあなんとかなるやろと思って流されていたら,着いた場所は一般ブースだった。いきなり迷子になったので,諦めて地図を見て今度はたどり着いた。まさか屋上にあるとか知らんがな。

 企業ブースに入った瞬間眼の前がガストショップだった。いきなり現れたのでびっくりして一旦スルーした。実はこれには理由があり,何を買うか心の整理ができていなかったのである。今回買うのはデイトラの本と誰かひとりの年次報告ということまでは決めていたのだが,誰の年次報告にするのかまでは決めていなかった。僕はコミケのたびにひとりずつ買えば6回分行く理由ができるとので,毎回ひとりだけ買おうという戦略を取っている。トライナリーの年次報告というのは限界効用が増大する特殊な商品である。というのも,年次報告が次回も販売されるかどうかがその回の販売状況にかかっているためである。一般にそのような商品を買う人々は年々減っていくと思われ,逆に現在のところは次回の心配をしなくても全く問題ないほどの需要があることだろう。そのことを考えると,今回買う年次報告より次回買う年次報告のほうが重要なのである。というわけで,今回は一人だけを買って強制的に次回もコミケに行く理由を作ろうという算段なのだ。

 時間稼ぎのために周りの企業ブースを回っている間に考えた結果,みやびの年次報告にすることにした。理由は2つある。ひとつはフランス関係でメンバーの中で特に動きが大きそうだからということ,ふたつ目はハンバーガー屋でバイトする姿のチャームが気に入ったからである。本人の情報スキルを活用せずに敢えてハンバーガー屋でバイトしてるみやびさん,良くないですか…?

 覚悟を決めてブースに並ぶ。と言っても特に並んでなかったが。方式が分からずやや緊張していたのだが,注文用紙だったので助かった。デイトラ本とみやびの年次報告の欄にチェックを入れて店員さんに渡す。ところが。店員さんが持ってきたのは神楽の年次報告だった。予想外の事象に一瞬思考回路が停止した。その次にいや違うんですけど…と言うかどうか一瞬悩み,結局言わないことにした。そもそもさっきまで誰にするか決めてなかったんだし,せっかくだから手違いを受け入れることにしたのである。というわけでこちらでよろしいですねという声にはいと返答した。そんなわけで今回,初コミケの戦利品として,デイトラ本と神楽の手紙を手に入れたのだった(袋要りませんと言うのを忘れたので袋も手に入ったが)。

 これで目的は達成したので,後は見て回るだけである。一般ブースを回るが,意外と真面目にブースを回っている人は少ないということが分かった。みんな興味あるところ以外は回らないのだろうか。猫の写真集なんかを販売している島で心が癒やされる。歴史系のサークルを中心に興味ある本が沢山あったのだが,一冊買ったらリミッターが外れてお金が完全に無くなりそうな気がしたので自重した。特に興味のある分野がなかった1日目でこれだから,3日目の評論島とか行っていたらやばいことになっていただろう。やはりコミケ,恐ろしい場所だ…。

 16時,そろそろどこも撤収という雰囲気になったので帰ることにする。ビッグサイトでも相当歩いたのでしんどかったが,最後だからと新木場駅まで歩いた。後は帰るだけである。東京駅の乗り換えがしんどい。これは何度でも言うが,東京駅の京葉線ホームはもはや東京駅ではない。上野東京ラインで一気に熱海まで行くつもりだったのだが,新橋でそういえばカレッタ汐留のイルミネーションが神楽のブロマイドになっているらしいという情報を思い出して記念に見に行ってきた。状況がよくわからなかったのだが,非常に自分の存在が場違いだと感じたのでちらっと見てさっさと撤収した。ちなみにカレッタがどのシーンで登場したのかは未だに把握できていない。

 今度こそ後は帰るだけ。帰る途中,ちょうど2日目に参加しようとしていた友人と沼津ですれ違ったので,ホームページすら存在しない謎のチェーン店で餃子を食べるついでに戦利品を自慢した。ちなみに彼は翌日CDと千羽鶴の年次報告を手に入れたそうだ。関西までは帰れなかったので,この日は島田の快活クラブに泊まった。暖かいネカフェのなんと素晴らしいことか。もう野宿なんてしたくねえ。いややるけど。

 そして翌日,無事おうちに帰りましたとさ。

 

 さらっと書くつもりが1万字近くなってしまった。ていうかここ書いてるうちにたぶん超える。今回の旅行はやりたいことを全部詰め込んだ小学1年生みたいな計画だったが,実際にやりたいこと全部できたしかなり充実したので良しとする。特に印象に残ったのはやはり三戸浜だろう。また来たいと思える,それどころか絶対にまた行くと断言できる場所だった。もし就職して東京勤務になったら,心が厳しくなった時に行くことにする。コミケについてはやはり荷物が大きいと不便だが,大して人に迷惑がかかることもない(人が多すぎて少し大きなザック1個程度誤差でしかない)し,意外とどうにでもなるというのが正直な感想というところか。年次報告とデイトラ本の感想は,万が一にもネタバレにならないように一応まだ避けておくことにする。まあしかし,また半年後に見たいと思えるものであったことは間違いがない。最後に三戸浜のパノラマ写真を載せておいて,この記録は終わりとする。

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土佐はよいくに,南を受けて薩摩颪がそよそよと…